マスク氏のテスラ巨額報酬パッケージ、再び無効判断 米裁判所
(CNN) 米電気自動車(EV)大手テスラの最高経営責任者(CEO)イーロン・マスク氏の巨額報酬パッケージについて、デラウェア州の裁判所が2日、無効と判断したことが分かった。この報酬パッケージは今年6月に開かれた株主総会で承認されていた。 2日の同社株の終値に基づけば約1010億ドル(約15兆円)に相当する報酬パッケージは、3億300万株のストックオプション(自社株購入権)で構成されている。同パッケージは今回と同じ判事である、デラウェア州衡平法裁判所のキャスリーン・マコーミック氏によって1月にも却下されていた。当時パッケージの価値は約560億ドルだった。 マコーミック氏は当時、パッケージに異議を唱えた主要株主を支持する判決を下し、マスク氏とテスラの取締役会は「報酬プランが公正であることを証明する責務を負っていながら、その責務を果たせなかった」と主張した。 マスク氏の弁護士は、2018年に株主が承認していた報酬パッケージが6月に再度承認されたことを受け、1月の判断を覆そうとしていた。 しかしマコーミック氏は、マスク氏の巨額の報酬パッケージが株主の過半数によって再び承認されたことについて、株主にとって最善の利益になることを意味するわけではないと述べた。 マスク氏はテスラで働くことで現金給与やボーナスを受け取っていない。同氏は市場価格よりも割安な価格で何百万ものテスラ株を購入できるストックオプションを通じて収入を得ている。 マコーミック氏は、同社の取締役会がマスク氏に近すぎるという主張に同意。マスク氏本人でさえ同氏の報酬について交渉できるのは自分だけだと認めているほどだと指摘した。 マコーミック氏はさらに意見書で、マスク氏は何らかの形の報酬を受ける権利があるが、このパッケージは株主にとって公平ではないと記した。