「発達障害は親のせいではない」 信州大学の天文物理学者が語る幸せな子育て
SNSでパワフルなメッセージを発信し、人気を集める天文物理学者のBossB(ボスビー)さん。X(旧ツイッター)のプロフィール欄には、「息子二人を宇宙よりも愛する母」と書いています。20歳と17歳になる息子たちへの思い、子育てをつらいと感じる保護者や進路選びに迷う高校生に伝えたいことを聞きました。 【写真】自分の輝きをして、自分を好きになるために…TikTokライブの様子
――動画投稿を始めたのは、息子さんがスマホでTikTokを見ていたことがきっかけだそうですね。 当時中学生の息子が夢中になってスマホを眺めていて、何がそんなに面白いんだろうと思ったら、それがTikTokだったんです。息子からは、動画投稿の仕方も教えてもらいました。最初の頃は勝手がわからなかったのですが、その後しっかり撮影方法を学んで、今に至ります。 ――下の息子さんの出産後、7年間子育てに専念されたのですね。育児のために長期間仕事を離れると、もう仕事に戻れないかもしれない、社会から取り残されるんじゃないかという不安を抱える女性も多いのですが、BossBさんはいかがでしたか。 そういう焦りを感じたことは、ありません。自分のキャリアをどうにかしなきゃとか、そういうことを気にして生きたことがないんです。もちろん、私がこれまでに出会った女性の中には、私とは違うタイプの人もたくさんいましたよ。子育てだけの生活は楽しくない、もっと自分の情熱を燃やせることをやりたいという人もいれば、子どもと一緒に泥だらけになって遊んだり、鼻水でぐちゃぐちゃの顔を拭いたりするより、おしゃれして出かけるほうが好きだという人もいるでしょう。何をやれば幸せになれるのか、その答えはみんな違いますから、仕事をすることで幸せを感じられる人は、保育園やシッターサービスを利用して早めに仕事に戻ればいいんです。 ――人生で何を優先するかは、自分が何をすれば幸せになれるかを基準にして決めるべきだ、ということですか。 そうじゃないと後から後悔します。子どものために自分のやりたいことを犠牲にするとか、自分の仕事はあきらめて夫のキャリアを支えようとか、そういうことをすると後から恨みつらみになってしまいます。初めから自分の気持ちに正直になったほうがいいんじゃないでしょうか。 ――2人目の息子さんを出産した後のBossBさんにとっては、それが子育てに専念することだったんですね。 はい、そうです。子どもと毎日一緒に過ごした7年間は、最高に楽しい時間でした。私が子育てをしていてつらいと感じるのは、子どもがつらい思いをしているときです。子育て自体はつらくないんですよ、全然。子育てがつらいと感じる理由はいろいろあるでしょうけど、もし、自分の子どもの能力や性格が他の子と比べてどうだとか、そういうことが理由で悩んでいるのなら、子どもはみんな違うんだよ、みんなスペシャルな才能、性格を持っているんだよ、と言いたいですね。子どもの特性にも子育ての方法にも、絶対的な正解なんてものは、ありません。