第94回選抜高校野球 聖隷、夏へ成長誓う 補欠校に /静岡
<センバツ高校野球> 聖隷クリストファー高の野球部監督を務める上村敏正校長(64)は会議室で何度も腕時計を確認しながら大会本部からの吉報を待ったが、電話が鳴ることはなかった。その後、グラウンドに移動し、選手たちに補欠校になったことを報告。「間違いなく選ばれるはずだと信じていた。人生思い通りにならないが、頑張ってきたことは無駄にはならない。夏の甲子園出場に向け、また頑張ろう」と激励すると、選手たちはすすり泣きながら結果を受け止めた。 監督として春夏通算8回の甲子園出場経験を持つ上村校長だが、同校を初の甲子園に導けなかった。報道陣の取材に「21年秋季東海大会決勝で敗れはしたが、大差で負けた訳でもない。結果について何と言っていいか分からない」と複雑な胸中を吐露した。 東海大会1回戦で右肘を痛めたエース・弓達寛之主将(2年)は「秋の東海大会から選抜を夢見て練習を重ねてきた。うそだと信じたいが結果は変わらない」と悔しさをかみ締めた。また、21年秋の県大会と東海大会で本塁打が1本も無かったことに象徴される長打力不足を課題に挙げ、「ウエートトレーニングなどを重ね、夏までにパワー不足を解消する」と初の甲子園出場に向け、更なる成長を誓った。【渡辺薫】 ◆学校紹介 ◇「隣人愛」を建学の精神に 聖隷クリストファー高校は、浜松市北区三方原町にある私立の中高一貫校。高校は1966年に聖隷学園高校として創設され、2001年に現校名に改称された。 中高を通じてキリスト教に基づいた教育を行う。イエス・キリストの教えである「隣人愛」を建学の精神とし、「世界の平和と人類の福祉に積極的に参画する人物の育成」が教育理念。高校は普通科と英数科を設置し、難関大への進学を目指す。著名な出身者に、2021年東京パラリンピック競泳で金を含む5個のメダルを獲得した鈴木孝幸選手(35)などがいる。 野球部の創部は1985年。2020年の県独自大会で優勝するなどし、近年は力を付けている。【深野麟之介】 ……………………………………………………………………………………………………… <西部地区予選> 2回戦 8月21日 ○ 5―1 小笠 代表決定戦 9月 5日 ○10―5 掛川東 <県大会> 2回戦 9月11日 ○12―1 桐陽 3回戦 23日 ○ 2―0 浜松工 準々決勝 25日 ○ 4―3 静岡市立 準決勝 10月 2日 ○ 2―1 浜松西 決勝 3日 ● 2―7 日大三島 <東海大会> 1回戦 10月31日 ○11―4 津田学園 2回戦 11月 3日 ○ 4―3 中京 準決勝 6日 ○ 9―8 至学館 決勝 7日 ● 3―6 日大三島 =11戦9勝2敗