【漫画・アニメでインバウンド誘客】ONE PIECE "麦わらの一味" が熊本に外国人観光客を連れてきた!―ナビタイムが分析
ナビタイムジャパン(東京都港区)が、外国人観光客向けアプリの利用状況を分析したところ、熊本県宇土市で2023年度の外国人滞在者数が2019年度比7倍増とジャンプアップ。その背景には、人気漫画「ONE PIECE」の “麦わらの一味” の活躍があった。
乗り換え案内などナビゲーションサイト運営のナビタイムジャパン(東京都港区)が、2023年度の対19年度比外国人旅行者の滞在増加率を分析した結果、都道府県別では山形県2.00倍、福岡県2.06倍を抑え、熊本県がトップの2.14倍だった。 熊本県内の市町村ごとの増加率は、宇土市が1位で7.33倍の伸び。さらに宇土市の中での滞在場所を分析すると、景勝地として知られる御輿来(おこしき)海岸や中心部の宇土駅の周辺よりも、「ONE PIECE」の 麦わらの一味のジンベエ像がある住吉海岸公園での滞在が最も多かった。
2016年4月に発生した熊本地震は県内に甚大な被害をもたらした。熊本県出身の漫画家・尾田栄一郎さんは即座に支援を表明、漫画『ONE PIECE』と熊本県が連携した復興プロジェクトで、県内9市町村に「ONE PIECE」に登場する “麦わらの一味” の仲間の像を4年かけて設置。 それが功を奏し、像が設置された市町村は、軒並み、コロナ禍前の19年度比で外国人観光客が倍増以上。麦わらの一味が外国人観光客を連れてきたともいえる状況だ。
2023年1月~2024年9月に対象の像の周辺を訪れた外国人旅行者のデータを抽出してさらに詳しく分析したところ、外国人が最も多く訪れていたのは、阿蘇市の阿蘇駅前にあるウソップ像たった。阿蘇が観光地としての人気が高いことに加え、ウソップ像が駅前に設置されていることが訪問率を押し上げているようだ。
市場別では、東アジアはウソップ像の訪問率が特に高く、東南アジアは熊本駅から近いルフィ像への訪問率が高い。限られた旅程の中で、主要駅の駅近の像に積極的に立ち寄ろうとしている様子がうかがえるという。一方、欧米豪は、1カ所だけではなく複数カ所周遊している人が多いという。