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高齢者も安心して移動できる「街」を作る…マツダの新たな挑戦
6月下旬。自動車メーカー、マツダの試験場(広島・三次市)では、マツダが開発した安全技術の体験会が開かれ、地元の住民や三次市 福岡誠志市長もやって来た。 このイベントを主催したのは、商品やサービスを企画するマツダの吉田真一郎さん。早速参加者たちを車に乗せ、試験場のテストコースを走る。 しかし、しばらくすると、運転していたマツダの社員が気を失ったふりをし、アラート音が鳴った。実はこれは、2年前に発表された、急病などの異変を感知する「ドライバー異常時対応システム」。今回のように意識を失って手放し運転をしていると、センサーが異常を検知して、自動で車を停止させるというシステムだ。吉田さんは、企業と地域住民の関係をもっと近づけたいと考えていた。
試験場からほど近い川西地区は、住民の半数以上が高齢者で、唯一の公共交通機関である路線バスは日中に1本。吉田さんは市と協力して、交通インフラが乏しいこの地域で、住民の足となるプロジェクトをスタートさせていた。
広島に本社を置くマツダが6年前にスタートさせたのが、地域内交通、通称「支えあい交通」。運転できる住民がドライバーとなり、移動手段のない地域住民を医療機関などへ連れて行くサービスで、利用料は無料。マツダは専用の車両を提供するだけでなく、車検などの維持費もすべて負担している。
吉田さんは立ち上げメンバーの一人で、「支えあい交通」を通して自動車メーカーの新たな役割を実感していた。「自動車会社は車を造って売るだけではダメで、われわれが持っている製品やノウハウを地域のために、社会課題解決のために生かさないといけない」。 実は吉田さん自身も、兵庫県で一人暮らしをしている母親がいて、「支えあい交通」は他人事ではなかった。「母は車の免許を持っていない。父が先に亡くなって、遠くに移動できなくなっている。今は川西地区でやっているが、将来的には自分の親も(助けたい)」と、胸の内を明かす。 しかし、「支えあい交通」は大きな問題に直面していた。ボランティアのドライバーたちの平均年齢は60代後半…運転する側の高齢化も進んでいたのだ。ここからは、高齢ドライバーをサポートする、新技術が必要になる。
この日、吉田さんが向かったのはマツダの研究施設。ゲーム機のようなドライブシミュレーターが設置されているが、よく見るとドライバーに向けられたカメラが3台も。マツダの栃岡孝宏さんによると、これまでは体の傾きなどでドライバーの異常を見分けていたが、その機能を進化させ、「顔の向き」や「目線」、「まぶたの動き」まで分析できるようになったという。そしてこの目の動きを研究していくと、“事故なき社会”の手助けとなる可能性があるすごいことが判明した。 ※「ガイアの夜明け」より
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