オーディオテクニカ、開放型ヘッドホンのゲートウェイモデル「ATH-ADX3000」。上位機の設計を多く踏襲
オーディオテクニカは、開放型ヘッドホンのゲートウェイモデル「ATH-ADX3000」を、11月1日(金)に発売する。価格はオープンだが、税込165,000円前後での実売が予想される。なお、本モデルは11月2日(土)に開催予定の秋のヘッドフォン祭2024同社ブース(6F・部屋番号605A)での展示、および試聴が予定されている。 8月に開催された香港ショウにて先行公開されたモデルが、正式に案内される格好。2017年に発売された開放型ヘッドホン「ATH-ADX5000」の設計を踏襲し、「トゥルーオープンエアーオーディオ」の入口をコンセプトとし、開放型モデルのユニークで純粋な音体験を、多くのリスナーに楽しんでもらえるよう開発を行ったとのこと。 ADXシリーズの開発について、同社商品開発部マネージャーの小澤博道氏によると「洗練された音を実現するため、空気の流れをデザインすることに注力してきた」とのこと。ドライバー技術に関する長年蓄積されたノウハウ・経験を、開放型ヘッドホンの設計に反映し、ピュアな振動板の動きを実現させたという。 ドライバーユニットは、タングステン振動板を備えた58mm径ドライバーを搭載。同社では開放型ドライバーについて、密閉された空間で発生する空気抵抗や、チューニングや低音域調整を行うアコースティックチャンバー(音響空間)が無いことが特性だと同社は説明。そのため、最低周波数までフルレンジの信号を生成するよう、注意深く開発する必要があるとのこと。その結果、非常にピュアな中高域を維持しながら、人工的な共振のない、純粋な低音を再生できると謳う。 ドライバーのマウントについても、ハウジングまでの音響空間を半分に仕切るポジションにボイルコイルを配置することで、音源に対して自然な音場と抜けの良い再生音を提供するという「コアマウントテクノロジー(PAT.P)」を採用するなど、ATH-ADX5000の設計を受け継ぐ。この構造によって「空気の流れを改善し、最適なフルレンジオーディオ再生を実現する」と説明する。 ATH-ADX5000からの変更点として、磁気回路をパーメンジュールから純鉄ヨークに。インピーダンス設定についても420Ωから50Ωへと変更することで、ポータブル機器など様々な機器との組み合わせで開放型ヘッドホンのサウンドを楽しめるとしている。また、バッフルフレーム部を硬質樹脂化、イヤパッド素材についてもアルカンターラからベロア素材へと変更するなど、ハード面においても若干の変更が加えられる。 本機もATH-ADX5000同様、オーディオテクニカの成瀬工場において、日本の職人の手で一つ一つ丁寧に組み立てるハンドメイドにて実施。各ユニットは、細心の注意を払って設計および製造が行われ、出荷前には厳しいテストを行うことで高いビルドクオリティを確保するとしている。 付属ケーブルは、左右両出しのA2DCコネクターを採用。プラグ部は6.3mm金メッキステレオで、長さは3.0m。また、持ち運びに配慮したハードケースも同梱する。 周波数帯域は、5Hz - 45kHz、出力音圧レベルは98dB/mW、最大入力は700mW、インピーダンスは上記の通り50Ωで、質量(コード除く)は約257g。別売オプションとして交換イヤパッド「HP-ADX3000」も用意している。
編集部:松永達矢