休み返上の為替トレーダー、円に再介入リスク-GW後半も戦々恐々
(ブルームバーグ): 外国為替市場関係者は3日からのゴールデンウイーク(GW)後半も、休日返上で当局の為替介入に備える。介入とみられる動きにより、円の安値更新にはひとまず歯止めがかかっているが、連休中には米国の雇用統計も発表される予定で、円安が再加速するリスクがある。1ドル=160円の防衛に政府・日本銀行が動くのか。緊張感の高い相場が続きそうだ。
政府・日銀はGW前半の4月29日に1年半ぶりとなる円買い介入を行った可能性が高い。円相場は1990年以来の160円台に急落後、154円台半ばまで反発。CMEグループによると、同日のドル・円の取引は日本の祝日にもかかわらず2016年11月以来の活況で、大半がロンドン時間午前9時より前に行われたという。
29日の為替介入は5.5兆円規模の可能性、日銀当座預金見通しが示唆
29日のドル・円スポット取引高は12兆円、2016年以来の大きさ-CME
日本時間2日早朝も157円台から153円ちょうど付近まで円が急伸。市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)後に米国債利回りが急低下し、ドル安圧力が強まっていたタイミングを捉えて、日本の当局が再び円買い介入に動いたとの観測が浮上した。神田真人財務官は「為替介入の有無については今、お話できることはない」と述べた。
円が対ドルで上げ加速、一時153円台-円買い介入の観測浮上
【FOMC】予想していたほどタカ派的でなかった-市場関係者の見方
3日から6日のGW後半も警戒を怠れない。日米金利差を背景に円の戻り売り圧力は根強く、円はその後156円台に戻している。3日発表の4月の米雇用統計は堅調な内容が見込まれており、米国の年内利下げ観測の後退により、ドル高主導で再び160円に向けて円が下落するリスクは否定できない。外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長はGW中に当局が介入する可能性は高いと話す。
介入効果に疑問の声、29日の「円買い」過去最大規模に匹敵との推計も