韓国が実効支配する「かの島」…「別の国」になった北朝鮮は果たして放棄するのか?
【10月25日 KOREA WAVE】「独島(島根県竹島の韓国・北朝鮮における呼称)は我が国の東端にある島であり、昔から我が人民が魚を捕りながら守ってきた我が国の神聖な領土だ」 北朝鮮の初級中学校1年生「朝鮮地理」教科書で扱っている「独島」関連内容だ。北朝鮮住民も幼い時から「独島」を「我々の領土」と認知して成長してきたという事実が分かる箇所だ。 しかし、北朝鮮は最近の憲法改正で社会のあちこちに内在する民族・統一概念を消し、「南朝鮮」を「韓国」として扱う「二つの国家」戦略を展開する。したがって北朝鮮の立場からすれば、「独島」に対する新たな定義が必要になってくるわけだ。 北朝鮮は今月17日、国営メディアで、憲法で韓国を完全な他国であり敵国と規定した事実を明らかにした。京義・東海線南北連結鉄道と道路を爆破したというニュースを伝え、「これは大韓民国を徹底した敵対国家として規制した共和国憲法の要求」によるものだと主張した。そうなれば、「独島」も「他国」であり「敵国」の領土になる。 北朝鮮は教科書で「国土の範囲」を説明する時も「独島」に言及している。高級中学3年生の「地理3」教科書によると、北朝鮮で認識している領土は最北端の咸鏡北道穏城郡豊西里から、韓国最南端の島、馬羅島までだ。東西には平安北道新島郡から「独島」までが含まれる。 日常生活でよく見られる切手にも「独島」を入れた。2004年と2005年に製作された北朝鮮の記念切手は「独島」が「朝鮮」の領土であることを明らかにした。 北朝鮮の歴史学会が定義した「独島」は「誰も侵犯できない我が民族の神聖な領土であり、歴代の日本政府と国際協約によって領有権が確認された我が民族の固有領土」だ。したがって、日本の領有権主張に対しても「破廉恥な蛮行、我が民族の尊厳と主権に対する露骨な侵害行為」と非難し続けてきた。 特に北朝鮮の社会科学院歴史研究所では古文献を根拠に「独島」関連研究を進め、この内容を教科書ではなく住民も見ることができる朝鮮労働党機関紙・労働新聞で紹介してきた。労働新聞は家庭、学校、企業などに配布されるだけでなく、毎朝学校や職場で新聞を声を出して読む時間を持つため、北朝鮮住民の頭の中に「独島」がどう植え付けられているか推定できる。 ところが、それがもう「他人の土地」、それも「敵国」の土地になる状況になってしまった。専門家は「二つの国家論」に「独島問題」がかみ合い、北朝鮮の立場ではジレンマに直面しているとみる。 国家安保戦略研究院のソン・ギヨン責任研究委員は「南北断絶を宣言し、それに伴う後続措置を取っていけば、大韓民国は北朝鮮の立場から『他国』だ。ただ、北朝鮮が引き続き『独島』を持ち出すかは見守らなければならない」と述べた。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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