スパコン世界ランキング、「富岳」は6位に後退…4位までを米国勢が独占
理化学研究所は18日、富士通と共同開発したスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」が、計算速度を競う世界ランキング「TOP500」で6位だったと発表した。米国などの新鋭機に抜かれ、前回発表時の今年5月から順位を二つ下げたものの10期連続で10位以内に入った。
TOP500は、スパコンの研究者らが国際会議で毎年2回公表している。首位は米ローレンス・リバモア国立研究所が開発した新鋭機「エル・キャピタン」で、計算速度は毎秒174京(けい)2000兆回(京は1兆の1万倍)。4位までは米国勢が独占し、計算速度が毎秒44京2010兆回の富岳は、イタリアの新鋭機にも抜かれて順位を落とした。
富岳は2020年6月から21年11月まで4期連続で首位を獲得。初登場から4年以上たった今回も上位グループを維持し、産業利用で使う計算の処理速度を測る「HPCG」部門では10期連続の首位を守った。理研や文部科学省は富岳の後継機について、遅くとも30年頃の運転開始を目指して開発する方針を示している。