“対アメリカ”に求められる姿勢…“ニッポンの社長”に聞く 日本経済の行方は
一方、そんな“世界”から日本を訪れる外国人は、去年3300万人を超え、過去最高を記録。日本の航空会社を利用する外国人も大きく増加しています。 去年から日本航空のトップを務める鳥取三津子社長にも話を聞きました。 (Q.企業としての存在価値、何を提供していくのか) 日本航空・鳥取三津子社長 「コロナを経て、移動の重要性、人とのつながり。人ともの、人と場所のつながり。これが本当に大切だということがわかった」 初の女性社長であり、初の客室乗務員出身。だからこそ見える景色があります。 (Q.初の客室乗務員出身の社長として、きめ細かい接客や、顧客あっての仕事だと徹底?) 日本航空・鳥取三津子社長 「お客さまがどう感じるか、本当に求めているものは何か。“日本人としての誇り”。我々だと、弊社で働いている仕事への誇りみたいなものが、お客さまに伝わっていけば、負けるものはないのではないか」
外食産業にも“新たな価値”の提供で、商機をつかもうという動きがあります。 ファミリーレストラン最大手、すかいらーくホールディングスの谷真会長。物価高の厳しい状況下でも業績を伸ばしています。 (Q.日本経済がなかなか厳しいなか、すかいらーくホールディングスは業績が堅調。厳しい情勢のなかで、そうした状態を保てた理由は) すかいらーくホールディングス・谷真会長 「宅配で夕食を食べるという世界がしっかりあって、コンビニエンスストアの食事のレベルがかなり高い。外食産業もそれに負けじと、コストパフォーマンスと品質をあげてきた。こういうことが好業績につながっていると思う」 値上げや、単価の高い商品を投入したことも業績アップに寄与しました。物価高さえも、成長の機会だと捉えています。 (Q.いろんなピンチは、チャンスの踏み台になりうるか) すかいらーくホールディングス・谷真会長 「価格も引き上げ、賃金も上げる。これを繰り返していくこと。これを政府も企業も一体となって取り組んでいくことが、日本経済にとって、極めて重要だと思う」 (Q.輸入物資の価格が上がり、美味しい食べ物を提供するという商行為そのものが決して簡単な状況ではないと思う) すかいらーくホールディングス・谷真会長 「原材料原価は、2025年で約110億円あがる。半分が人件費で、ほぼ半分が円安による原材料原価の高騰。これを乗り越えなければいけない」 そのための象徴的な一手が、九州を地盤とするうどんチェーン『資さんうどん』の買収です。先月末には関東1号店がオープン。今後は、主力の『ガスト』を一部『資さんうどん』に転換していくことも計画しています。 すかいらーくホールディングス・谷真会長 「資さんうどんは、35年前から、ずっと九州に行っていたら食べていた。仲間になってくれてうれしい。優良なコンセプトは、世の中にいっぱいあるので、それをM&Aで仲間になっていくことによって、日本の消費者が豊かになることは、当然ながら経営戦略として考えている」 また、いわゆる“年収の壁”の見直しにも期待を寄せています。 すかいらーくホールディングス・谷真会長 「規制をいかに撤廃していくか、新しいものにつくり変えるかが、日本経済の浮上のために、賃金が上がっていくために極めて重要」 (Q.働き控えをなくす決定打になりうるか) すかいらーくホールディングス・谷真会長 「なると思う。これは確実になる。それが経済の活性化につながり、人手不足の解消にもつながり、みんなの経済が浮揚していく。好循環に入っていく、極めて重要な第一歩になると思う」
テレビ朝日