「中長期の避難生活」を快適にするためのテクニック(専門家が監修)
自立するドーム型のテントが快適
テントは、自立するものが好ましい。砂利やコンクリートなど、ペグが刺さらないような硬い地面でも、重りを使うなどして臨機応変に設営できるからだ。なかでも理想的なのは、耐風性に優れるドーム型テントで、2か所以上の出入り口があるもの。雨による水没などがあってもすぐにテントごと移動することができ、突発的な問題にもすぐに対処できる。
正方形や長方形のタープが対応力◎
テントが寝室なら、タープ下はリビングやキッチン。長期間の生活には欠かせない居住空間を作り出してくれるタープの形状は、オーソドックスな正方形や長方形が便利だ。頭上に張れば雨や照りつける太陽から身を守れるのはもちろん、壁のように張れば他者の視線を遮ったり、風を防いだりと、状況に応じてアレンジできるのが最大の強みだ。
小物を充実させて平時の生活に近づける
避難生活では硬く冷たい地べたに長時間座り続けることで、腰痛や肩こりに悩まされる人も多い。イスやテーブルなど小物を充実させることは、単に快適さを向上させるだけでなく、健康面のトラブルの予防という観点からも重視されるべきポイントだ。どれだけ平時の生活環境に近づけられるかが、長期間の避難生活の明暗を分けると言っても過言ではない。
edit & text: Ryo Ishii(初出『Tarzan』No.872・2024年1月25日発売)