阪神・藤川球児監督、来春の沖縄・宜野座キャンプに糸井嘉男SAを臨時コーチで招へい
阪神・藤川球児監督(44)が2日、来春キャンプの臨時コーチとして球団OBの赤星憲広氏(48)、糸井嘉男スペシャルアンバサダー(SA、43)、駐米スカウトを退任するジェリー・サンズ氏(37)を招へいすることを明かした。『超人糸井』が指導役を務めるのは初めてで、大砲育成のサポートに期待が懸かる。近大の後輩で現役時代から親交のある佐藤輝明内野手(25)は糸井塾の開講を心待ちにした。 現役を引退しても、分厚い大胸筋やはち切れんばかりの太ももは健在。超人と呼ばれた独特の存在感も変わっていない。藤川監督は来春キャンプの臨時コーチの1人として招く糸井SAに、得点力アップ、若虎育成をサポート役として期待を込めた。 「小谷野打撃チーフコーチとオリックス、日本ハムで一緒にやっている。佐藤(輝)へのアプローチとか、一番心が通じ合うような糸井と佐藤なんでね。そのあたりは小谷野の助けにもなるだろうしね」 ともにタテジマで戦った仲間でもあり、指揮官の引退後も2022年までプレーしていた。佐藤輝だけでなく、大山、近本ら主力は戦友。「精神的なところで、心が通じ合う選手ってほかにもいるだろうしね。いろんなバリエーションをね。(打撃コーチの)小谷野と上本が新任で、1軍の選手たちは糸井が分かっている選手が多いので、来てもらおうかなと思ってます」と意図を明かした。 引退から2年。糸井SAがグラウンドで本格的に指導するのは、虎では初の試みだ。NPB通算1755安打、171本塁打、765打点、300盗塁をマーク。走攻守そろった技術面はもちろん、独特な感性を持つ精神面での〝超人塾〟もナインにとって貴重な財産になる。 この日、甲子園を訪れた佐藤輝は「面白そうですね」と早速、糸井臨時コーチを歓迎した。同じ近大出身で尊敬する先輩には、これまで個人的にアドバイスを受けることもあったが、深く話し込む機会はあまりなかった。「あれだけでかいですけど、当てるのがうまい。レフト前とかポーンって打ったりしていますしね。(打率)3割を何回も打っている。面白そうなので、しゃべってみたい」。5年目の進化につなげるべく、貪欲にグラウンドでバットを手に言葉を交わし、ともに汗を流す。 佐藤輝だけではない。糸井SAと入れ替わりで入団した森下、来季4年目の前川、同6年目の井上にとっても、超人エッセンスを吸収できる場となる。藤川監督は「何のために呼んでいるかというのは、その後に答えが残るので」と結んだ。