夢をつかむため、乗り越えるべき「試験」と「チャンス」【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第17回
■「今日失敗すれば、明日はない」という意識 里崎 現役を引退してもう何年も経ったけど、僕は今でも「毎日が試験だ」という考えは持ってるよ。ということは、逆に考えれば「毎日がチャンスだ」って言えるのかもしれないけど。 五十嵐 今、サトさんはいろいろな仕事をしているけど、それも「チャンスであり、試験である」と考えて臨んでいるんですか? 里崎 もちろん。今、この瞬間もそう。亮太との対談もまた、僕にとってはチャンスであり、試験でもある。そんな思いは強いけどね。プロ野球の解説の仕事も、毎日が試験のようなもの。だからどうしても「チャンス」という概念が希薄になっているんだよね。 五十嵐 サトさんの言う「試験」というのは、ひとつひとつの仕事に全力を尽くすという意味では、プロとして正しい姿勢だと思います。思いますけど、やっぱり、それは「チャンス」とは別のものだという気がしますね。 里崎 これも以前の話に戻るけど、それが「キャリア組とノンキャリア組の違い」と言えると思いますね。僕のように看板も実績も持たないノンキャリア組の場合は、毎日が試験のようなもので、ひとつひとつのテストをクリアしていくしかない。だから、それは同時にチャンスであって、すべてに気を抜けないし、手も抜けないもの。そんな意識は昔も今も変わらずに持っているな。 五十嵐 やっぱり、それは生きづらいですよ。「毎日が試験」だなんて、学生時代のことを思い出してすごくイヤな気持ちになる(苦笑)。 里崎 でも、「毎日が試験状態」が続いていると、それが当たり前のことになるから、意外と「苦しいなぁ」とは思わなくなるよ。学生時代に苦しかったのは、3カ月に一度程度、中間テストや期末テストがあったから、その時期が近づいてくると憂鬱になっていただけで、毎日試験だったら特に気にならなくなるから(笑)。 五十嵐 サトさんはそうかもしれないけど、僕はイヤです(笑)。じゃあ、毎日の試験で結果を残し続けてきたから、今のサトさんがあるということですか? 里崎 もちろん。昨日の仕事で「里崎は面白い」となったから、今日の仕事があるわけで、今日の試験に失敗すれば、明日の仕事もなくなっていくわけだから。その積み重ねで、今の状態がある。それは間違いないと思いますね。だって、僕よりも実績のある解説者なんてたくさんいる中で、「里崎じゃなきゃダメだ」と思ってもらうためには、試験をクリアしていないとダメでしょ? これは僕に限らず、どんな職業の人にも当てはまることだし、フリーランスの人なんか、特にそうでしょ。