地域ブランド“八丁味噌”の登録に含まれず…老舗『まるや八丁味噌』ピンチをチャンスに変える75歳社長の奮闘
「おはようございます」と丁寧にお客さんに挨拶しながら八丁味噌をすすめる浅井社長だが、時には断られることもあるという。 浅井社長: 「人間って必ず恥ずかしさがあるじゃん。なりきると恥ずかしさが減る」 試食した女性客: 「コクがあるんですけど、軽やかな感じ」
別の女性客: 「(社長に)お会いできてよかった」 浅井社長: 「うれしいです。またぜひ皆さんで蔵に来てください」 浅井社長は「八丁味噌」という名称も大事だが、その伝統を残すことの方がもっと大切だと考えている。 浅井社長: 「最大限社長としてやれることは消費者の方と会うこと。もちろん団体の人とも会うし、世界の人とも会う。だから無駄な時間はひとつもない。あくまでも消費者の方たちと一緒にいること。この人たちの期待を裏切らない」 常に消費者とともに。味噌蔵の案内も、進んで行う。
蔵を訪れた男性: 「沖縄から仕事で来ていまして。歴史を知ると人に紹介したくなるので。やっぱりこのあとお土産も見て、見たことを語りながら渡したいと思います」
■ビーフシチューの隠し味に八丁味噌を使ったら…人気の看板料理に
伝統は守るだけではない。岡崎市の洋食店「地産地消レストラン 味くりげ」では、従来のグルメに八丁味噌を加えることで、新しい食の可能性も探っている。
この店で出していた「ビーフシチュー」に、隠し味としての八丁味噌をアドバイスしたところ、味にコクが出て人気になったと喜ばれている。
地産地消レストラン 味くりげの2代目 石井宗太さん: 「社長のおかげで看板料理になりましたから。これを求めていらっしゃいますね。本日もほとんど皆さん、八丁味噌のビーフシチューを召し上がっていきました」
2024年で75歳を迎えた浅井社長。最高裁の判決については「無念で残念だが守るべき文化は今後もしっかり守り続けていく」と話し、商品の名称などについても「まるやと消費者にとって良い方向を見つけるべく探っていきたい」と考えを巡らせている。 いまはピンチをチャンスに変えようと奮闘している。
浅井社長: 「期待されている。あいつに期待をしたらやってくれるかもしれない。そういうのがきっとあるのかなと。75歳でありながらこういう生き方もできるのかと、誰かがいいじゃんと言ってくれるならいい」 2024年6月19日放送