「どうすればよかった?」台風の想定外の動きに振り回された夏休み…狂う旅程 石垣島で身動きが取れなくなった記者が痛感した準備の大切さ
▽台風がまさかの迷走 「異変」は31日の昼、食事を取るために立ち寄った石垣島の食堂のテレビから聞こえてきた。ちょうど天気予報が放送されていたが、画面には、ノロノロと沖縄本島の南側を進む台風6号の進路予測図が映し出されている。「いつのまに予報が変わったんだ?」 過去に沖縄で勤務したことがあり、沖縄の台風の激しさは分かっているつもりだった。しかし、沖縄近海で停滞する台風は見聞きした事がない。テレビを見ながら激しく動揺した。 繰り返しになるが、沖縄の台風をなめてはいけない。帰宅予定を1日早めてあす帰ろうかと考え始めていたら、スマートフォンを触っていた妻が「あっ」と声を上げた。 「1日、2日の石垣発の飛行機、欠航するってよ」 食堂を出たとたん、雨が降り出した。 8月1日に帰るどころか、2日に帰ることもできなくなった私は、意識を「危機管理」に切り替えようと思った。子どもを含む家族4人で離島に閉じ込められるとなると、一体何をすれば良いのか思いを巡らせた。
まず考えたのは食料の確保。風雨が強くなれば外出できなくなり、外食できない。ホテルに戻る途中、スーパーに立ち寄って総菜やパン、カップラーメンを購入した。 せっかくの旅行なのに食事がわびしくなるが、背に腹は代えられない。心配したとおり、ホテル近くのコンビニエンスストアからはその後、次々と食品が消えていった。 ▽モバイルバッテリーは必須、早めの移動も 台風は2日夜から3日未明に石垣島に最接近した。島では両日、強い風雨が吹き荒れ、空港は閉鎖された。8月4日から出勤予定だったが、3日のうちに戻ることもできない。 不幸中の幸いだったのは、停電がほぼなかったことだ。停電すればエアコンは止まるが、暴風雨では窓を開けられず、蒸し風呂状態となる。ポンプで水をくみ上げているホテルなどの建物では水道も使えない。さらに今ではスマホが生命線だ。台風情報の収集やフライトのキャンセル待ちの手続き、家族や職場との連絡などに欠かせない。