衆院選、中国5県の構図と情勢 17小選挙区56人立候補
15日公示された衆院選は、中国地方5県の17小選挙区に56人が名乗りを上げた。新たな区割りで実施され、石破政権下では初めての衆院選となる。自民党派閥の裏金事件で広がった有権者の政治不信を12日間の論戦を通じて払拭できるのか。物価高に対応する経済対策や安全保障政策の在り方も問われる。5県の選挙の構図と情勢をみる。 【グラフィック】中国地方5県の衆院小選挙区の立候補者
【広島】与党、議席独占を目指す
広島県内の小選挙区数は2021年の前回選に比べ1減の6選挙区となる。自民党が5人、公明党は1人の候補を立て、与党で議席独占を目指す。立憲民主党は4人、日本維新の会は3人、共産党は5人、国民民主党は1人を擁立。野党は県内の小選挙区の現有1議席からの上積みを図る。 前回は野党の一本化が進み、7選挙区のうち3選挙区で与野党が一騎打ちの構図となった。今回の公認取り下げは3区の日本維新の会新人にとどまり、6選挙区のうち与野党一騎打ちとなるのは4区だけとなった。 4区は区割り変更で前回までの旧4、5区の多くのエリアが統合された。7選を狙う自民党前職は旧5区を地盤とし、比例代表中国ブロックに回る旧4区の自民党前職との連携を模索する。旧4区を活動拠点としてきた日本維新の会比例中国前職は3選に向けて旧5区への浸透を図る。 5、6区はともに自民党、立憲民主党、共産党の3候補の争い。5区は5選を目指す立憲民主党前職と4回連続復活当選の自民党比例中国前職の3度目の戦いに、共産党新人も食い込みを図る。 3区には広島市安芸区が新たに加わる。19年の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件の影響で自民党は前回に続いて擁立を見送った。公明党前職は自民党の推薦を得て11選を狙い、立憲民主党、共産党、無所属の新人3人が立ち向かう。 1区は11選を目指す自民党前職が強い地盤を誇り、立憲民主党、日本維新の会、共産党、無所属の新人4人が挑む。2区は国民民主党が県内唯一の新人を擁立。日本維新の会と共産党も新人を立て自民党前職の6選阻止を狙う。