【ホンダファン必読! 写真も盛り沢山】 S2000/NSXも登場 モデューロ30周年記念のイベントをレポート
モデューロ製品をフル装着した車両に試乗
そして最後に、ホンダを代表するピュアスポーツカー、NSXとS2000にモデューロ製品をフル装着した車両に試乗することができた。 NSXは3.2LのC32B型エンジンと6速MTが与えられた、NSXタイプS"NA2"。S2000は2LのF20C型エンジンを搭載した1999年式"AP1"である。 ホンダアクセスでは、2020年にS2000の誕生20周年を記念アイテムとしてモデューロ・アクセサリーを発売しているが、今回用意されたのは1999年のS2000新車販売と同時にリリースされた製品たち。 スポーツサスペンションのほか、フロントアンダースポイラー/リアストレーキ/トランクスポイラー、さらに現在では超レア品となっているモデューロ・エキゾーストが装着されていた。 もう1台のNSXタイプSは、2011年にNSX誕生20周年を記念して開発・販売されたトランクスポイラーやスポーツサスペンションを装着されたもの。発売時期こそ約12年離れているが、両車には「四輪で舵を切る」というモデューロのハンドリングにおける哲学が受け継がれており、じつに素直な特性を示す。 ドライバーの意思に忠実に、ステアリングを切ったぶんだけクルマが向きを変える。荷重の与えられた4本のタイヤはバランスよくしっかりと路面を掴み、ドライバーはもちろん乗員全員に安心感と快適性を与えてくれる。 また「実効空力」コンセプトに基づき開発されたエアロパーツは、揚力を抑えながら車両上部や側面に流れる空気を制御。コーナリング時にはステアリングの修正舵をほとんど必要としない優れた安定性を実現し、速度域の高低に関わらず「スポーツカーを操る楽しみ」を引き出している。 ホンダといえばモータースポーツやスポーツカーの印象が強いメーカーではあるが、純正アクセサリーを手掛けるホンダアクセスの「こだわり」は、そのなかでも群を抜いている。 製品開発においては、テストドライバーだけでなくエアロパーツやホイールのデザイナーやモデラーも開発車両のステアリングを握り、形状の違いがどのように車両の運動性能に変化をもたらすかを体験しているという。 それゆえ製品の開発には時間を要してしまうケースもあるというが、やはりホンダのなかでも特にこだわりの強い職人集団が手掛けたモデューロ製品だけに、その仕上がりは一級品。 モデューロの30周年を振り返る今回のイベント「30th Anniversary EXPO Vol.1」であったが、タイトルの末尾にあえて添えられたVol.1という数字に、今後にVol.2や3が開催されることを心から期待したい。
佐橋健太郎(執筆) AUTOCAR JAPAN(編集)