岡崎慎司さんがアストエンジ関西サッカーリーグで指導者の第一歩踏み出す 北川信行の蹴球ノート
アストエンジ関西サッカーリーグの1部が23日、前半戦の戦いを終えた。ビッグレイク(滋賀県守山市)で行われた守山侍2000-FC BASARA HYOGO(バサラ兵庫)は1-1の引き分けに終わったが、悪天候の中、会場を訪れた100人以上の観客にはサプライズな出来事があった。17日に東京都内で引退記者会見を開いた元日本代表FW、岡崎慎司さん(38)がバサラ兵庫のスポーツダイレクターとしてベンチ入りしていたからだ。ドイツに設立したバサラマインツのトップチーム監督に就任する岡崎さんだが、〝指導現場での第一歩〟を古里である関西の地でスタートさせた。 【写真】選手とタッチを交わす岡崎さん。貴重な機会になったという ■恩師と一緒のベンチで感慨 8チームで戦うアストエンジ関西サッカーリーグ1部は国内最高峰のJ1から数えて5部に相当するアマチュアリーグ。全国に九つある地域リーグの一つで、各地域の優勝チームと全国社会人サッカー選手権大会(全社)の上位3チームが出場する全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)で2位以内に入ると、4部に相当する日本フットボールリーグ(JFL)に昇格する可能性が生まれる。 この日の試合は午前11時にキックオフ。兵庫・滝川二高時代のコーチで、昨年からバサラ兵庫を率いる恩師、荒川友康監督の隣に立って試合前練習を熱心に見守った岡崎さんは、試合が始まると、チームのベンチに座って観戦。「あまり声を出さないようにしようと思っていた」そうだが、チームが絶好機を迎えると、思わず立ち上がって声援。ハーフタイムには荒川監督に促されて選手らに激励の言葉をかけ、自身と同じFWのポジションの選手とも積極的にコミュニケーションを取っていた。 試合後に「いやもう、本当にまだ右も左もわからない状態なので。いろんな経験をさせてもらえること自体が感謝というか…。このクラブを一緒につくった相方が仲間を集め、ここまでしてくれた。そこに自分の恩師が監督に来てもらって…。その監督と一緒にベンチに座るというのは、感慨深いですね」と振り返った岡崎さんは「まだ立って、プレーをしていた方が楽なんすけど…。疑似体験ではないですけど、本当にいい経験をさせてもらいました。アジアや日本からの可能性を欧州で増やす目標もあります。同じクラブを使って選手たちが成長できる場を作っていきたいですね」と抱負を話した。また、アストエンジ関西サッカーリーグの八木勉運営委員長は「岡崎さんが指導者としての第一歩を関西で踏み出してくれたことがうれしい。ここをスタートに、指導者としても欧州、世界に羽ばたいてほしいですね」とエールをおくった。 ■真剣勝負の場があることに感謝