伊東健人「30代になって“怖いもの”が増えた」年齢を重ねたからこそ見えてきたもの
『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』観音坂独歩役や『ヲタクに恋は難しい』二藤宏嵩役などで人気を集める、声優・伊東健人さん。2022年には川谷絵音さんプロデュース楽曲『真夜中のラブ』で、ファン待望のアーティストデビューを果たした。3月には2ndEP『咲音』を発売し、4月14日には初となるワンマンライブを控えている伊東さんに、前後編にわたってインタビュー。後編では、伊東さんの今の人生観に迫った。 【写真を見る】現在35歳、声優だけでなくアーティスト活動でも人気を博す伊東健人
正直2、3回くらいは人が変わった気がする(笑)
大学在学時、自身のコミュニケーション能力を高めたいと声優学校に入学した伊東さん。その後仕事を続けていく中で、自分なりに身に付けたコミュニケーション術とは? 「今でもコミュニケーションに対する苦手意識は全然あるんですが、業界に入った当時は会話術に関する本を買って、書いてあることをひたすら実践していました。『会話は質問で返す』といった本当に初歩的なことなんですが、最初は“質問で返さなきゃ”と思いながら意識的にしていたのが、だんだんと自然にできるようになっていって。やっぱり場数を踏むことが大切ですよね。声優デビューしてから、正直2、3回くらいは人が変わった気がします(笑)。 もともとの性格もありますが、コミュニケーションにおいて“否定しないように”というのはいつも心がけているかもしれません。『そんなことありえない』っていうことって、ないんじゃないかなって思うんですよね。自分にとってはありえないことであっても、誰かにとってはそれが普通なことかもしれない。例えば『白米はふりかけなどかけずにそのまま食べるのが一番美味しい』って人がいても、『え、それはおかしくない?』とは言えないんです。僕はふりかけがあった方が美味しいって思うけれど、そういう人もいるよな、って受け入れてしまう。人それぞれの価値観を否定しないことは大切だと思う一方で、このスタンスでいすぎると、『自分は本当に人に興味があるのか……?』と悩むこともあるので難しいところですね(笑)」