「君は0点?」「あの人は100点…?」そんなバカな…自己肯定感の低い若者に知ってほしい「人生79点の考え方」
いままで、「大切な人と深くつながるために」「いじめられている君へ」「親の期待に応えなくていい」など、10代に向けて多くのメッセージを発信してきた作家の鴻上尚史さんが「今の10代に贈る生きるヒント」を6月12日に刊行した。その書籍のタイトルは『君はどう生きるか』。昨年ジブリの映画でも話題になった90年近く前のベストセラーをもじったこのタイトル。なぜ「君たち」でなくて「君」なのか。そこには鴻上尚史の考える時代の大きな変化があった。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 『君はどう生きるか』(鴻上尚史著)より抜粋して、著者がいまを生きる10代に贈るメッセージを一部紹介する。 『君はどう生きるか』連載第36回 『4割もの日本の若者は「自分には長所なんかない」と思っている…!「生きていく資格なんかない」と嘆く若者に知ってほしい「自己肯定感の育て方」』より続く
あなたの「自尊感情」は?
日本の多くの若者の「自尊感情」が低いことには、いろんな理由があります。 人によっては「日本人は謙虚なんだよ」とか「控えめなんだ」と、「自尊感情」が低いことがいいことのように言う人もいます。 でも、「自分で自分のことを大切だと思う」という気持ちが低いことがいいはずがないとぼくは思っています。 君はどうだろう。 「自分自身に満足していますか?」「自分には長所があると思いますか?」と聞かれたらなんと答える?
「地図」を作るということ
もし、マイナスの回答しか出てこないようなら、焦らないで、ゆっくりと「相対的な保証」を持つために、「地図」を作ることを勧めます。 「自分に長所なんかない」と思っている人は、自分しか見てない人です。他の人をじっくり見つめれば「あの人よりはましだな」とか「あんなことは私はしないな」とか「私はもう少し上手にできるな」と気付くことがあるのです。 えっ?そんなものはまったくないと思った? では聞くけど、君は自分をほめることは何もない? 君は0点?まったくダメ?それにひきかえ、あの人は100点?……そんなバカな。 人生に100点満点はない ぼくは「0か100か」で考えるのは、子供の発想だよとよく言います。 君自身も人生も0か100で割り切れるものではありません。 テストは、割り切れます。たったひとつの正解がはっきりしていますからね。