「君は0点?」「あの人は100点…?」そんなバカな…自己肯定感の低い若者に知ってほしい「人生79点の考え方」
100点満点の選択はない
でも、人生は違います。人生に迷った時に、100点満点の選択なんてないんだと思っていてください。 ぼくは演劇の演出家だと言いました。例えば2時間の演劇で、最初の方にセリフを間違えると、後のシーンの演技がボロボロになる俳優がいます。若い俳優ほど、この傾向が強いです。 最初のシーンで間違えると、「ああ、もう今日はダメだ。100点は出せない」と思ってしまうのです。 そういう日の演技は、0点になります。 翌日も公演があって、今度は逆に最初から最後まですごくうまくいって「今日は100点だあ!」と喜ぶこともあります。 そういう俳優を見ながら、ぼくは「今日のお客さんはいいけれど、昨日のお客さんには申し訳なかった。どうして、ちょっとトチったぐらいであきらめるんだろう。人生は0か100じゃなくて、67点とか53点とか89点とかで生きていくもんじゃないのかな。最初のシーンでセリフを間違えても、後半、踏ん張ってがんばったら、79点で芝居は終われる。それを目指せばいいのに」と思いました。 『君は「絶対」に0点ではない…自分を見るだけでは気付けない!君の「“57点”の素晴らしい長所」』へ続く
鴻上 尚史(・作家・演出家)