インカレバスケ女子展望優勝「最有力は前回女王・白鷗大」
前回王者・白鷗の自信と成長不安を乗り越えた全勝優勝
大学界の頂点を競う全日本大学選手権大会(インカレ)。いよいよ昨日からトーナメントがスタートした。その頂点に立つのはどのチームか? 前回女王・白鷗大が最有力候補と見られるが、一発勝負の舞台では何が起こるかは分からない。前回上位進出を果たしたチームを中心に展望していきたい。 ※開幕前の情報で書いたものです 【表】インカレ2024「女子決勝トーナメント」をチェック 11月29日、インカレがついに幕を開ける。過去10年を振り返ると、2014年に早稲田大、翌年に筑波大が頂点に立ったあとは白鷗大が2度、東京医療保健大が6度、それぞれ頂点に立っている。さらに言うと過去5年は両校による決勝という状況だ。それでは、今年はどのチームが頂点に立つのか。最有力候補は白鷗大だ。昨年優勝に導いた主力が卒業し、出場経験が少ないメンバーで迎えた今年度、佐藤智信監督は「春は様子見と考えていました」と言う。しかし、蓋を開けてみればトーナメントは圧倒して優勝し、リーグ戦も14戦全勝で制覇した。さらにリーグ戦途中に出場した国民スポーツ大会(旧国民体育大会)成年女子の部も単独チームで制覇しており、新人戦を除けば今季負けなし。チームとしての上積みも見事なもので、春はインカレ制覇にも貢献した4年生#13オコンクウォ・スーザン・アマカが中心という戦い方だったが、リーグ戦では周りを固める選手が成長。充実した戦いを披露した。 キャプテンの#20舘山萌菜は「最初は全員が不安を抱いていたと思いますが、戦うごとに自信が付いてきました。一人一人の気持ちが変化したことで、プレーにいい影響が出たんだと思います」と変化を説明する。このまま、インカレでも頂点まで登り詰めるのか。佐藤監督、#20舘山共に「インカレまでにディフェンスをより向上させる」と語っており、自信を深めて大会に臨むことになりそうだ。
対抗となるのは東京医療保健大だ。白鷗大同様に主力が卒業して新たなラインナップで臨んだ今年度は、トーナメント、リーグ戦共に準優勝という結果だ。チームの中心は 大脇晴、女子代表候補にもなった#5絈野夏海。リーグ戦で監督を担った伊藤彰浩氏は「望んでいた結果は出ませんでした。それでも思うようなバスケを展開できない中で、最後にやるべきことを徹底してくれたと思います。ポイントガードの⑳島村きららをはじめ、チームとして向上できた大会だったと思います」と手応えを感じている。興味深いのは、リーグ戦の2巡目途中から⑤絈野をハンドラーに据えたことだ。リーグ戦序盤では「スランプに入っていた」(#5絈野)という状況もあったのかもしれない。「1番をやりながら、2番で合わせるといったことをやっていく中で やりやすくなってきました」と早くも フィットしてきたようだ。 「この敗戦を糧にしてインカレでは立 場をひっくり返そうと伝えました」と 言う伊藤監督は、インカレでのリベン ジを目指す。リーグ戦途中から欠場が 続いた#3イベ・エスター・チカンソ、 キャプテン#21野坂葵もインカレには間に合う予定で、間違いなく上積みは期待できる。また10月には、パリ五輪で女子日本代表を指揮した恩塚亨氏がチームの監督に復帰。インカレで指揮を執る可能性もある。