仕事の満足度は「働きがい」で決まると話していた同僚。「まずは給料だろ」と思っていたのですが、私が少数派なのでしょうか…。
仕事の満足度について考えるとき、「働きがい」が大切だと話す人もいれば、「まずは給料だ」と考える人もいるでしょう。果たして、満足度を左右するのは「働きがい」なのでしょうか、それとも「給料」なのでしょうか。多くの人はどちらに重きを置いているのか、考えてみたいと思います。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
職場での満足度
野村総合研究所(NRI)が2023年2月に全国の15~79歳の3617人を対象に調査を行い、その中で25~54歳の就労者、いわゆるプライムエイジ層の回答をもとに、働く人の現状や意識について分析しました。 現在の仕事に対して「とても満足」または「満足」と答えた人の割合を男女別で見ると、男性は41.5%、女性は45.6%で、性別による大きな差はありません。また、雇用形態別では、正社員の満足度は43.7%、非正規職は42.6%でした。 男性と女性の間で満足度にほとんど差がなく、また正社員と非正規社員でも同様に満足度が近い水準にあることから、性別や雇用形態が満足度に決定的な影響を与えるわけではないと考えられます。 つまり、仕事に対する満足度には、性別や雇用形態よりも他の要素、例えば仕事内容や職場環境、職場の人間関係などが影響している可能性があります。 ■仕事への満足度と仕事に関する考え方の関係性 仕事への満足度と考え方の関係について見てみると、表1の通りでした。 表1
出典:野村総合研究所「日本人の生活に関するアンケート調査」より筆者作成 仕事への満足度はその人の仕事に対する考え方や姿勢に大きく影響されることが分かります。特に「昇進のために努力を惜しまない」「やりがいを重視する」「自身の能力を伸ばして社会に認められたい」といった積極的な考え方を持つ人ほど、仕事への満足度が高い傾向が見られました。 これに対して、「仕事は収入を得る手段と捉える」「最低限の働きで十分」「家族や自分のことを優先する」という姿勢を持つ人は、相対的に満足度が低い傾向があります。つまり、仕事への満足度を高めるためには、単に給料や待遇といった条件だけでなく、自分の価値観や仕事への取り組み方も大きな要因となることが考えられます。