君の名はチャッピー。宇宙軍で働くロボット犬です
コロラド州のバックリー宇宙軍基地でで働く緑色のロボット犬。名前はチャッピーです。 このロボット犬は、核兵器や化学兵器を嗅ぎ分けることができます。
危険物を嗅ぎ分けてくれる
正式には、四足歩行無人地上車両(QUGV)と呼ばれるこちらのロボット犬。このロボットには12種類のモデルがあり、我々一般人がAmazonで購入することも可能です。 ただし、チャッピーは少し特別とのこと。 2015年公開のSF映画にちなんで名付けられたチャッピー。化学、生物、放射性物質、核物質 (CBRN)の検出を手助けするために特別に設計されたロボット犬です。危険物質の検出に役立つセンサーが装備されています。そう聞くと、国防総省と民間企業が長い歳月をかけて開発したのかなと思いますが、実はこれ、ある1人の空軍兵のアイデアから生まれたんですって。 チャッピーの考案者である米空軍のドミニク・ガルシア曹長は、「このアイデアは、シリアに派遣され、未知の化学物質に直面しながらISISの化学兵器の位置を特定し破壊した後、思いつきました。もっと安全で速い方法があるはずだと思ったのです」と、はプレスリリースで述べています。 空軍にはAFWERXと呼ばれる助成金プログラムがあり、階級に関係なく空軍兵士が外部の企業と連携して、国防総省の典型的な官僚主義に囚われることなくアイデアを実現できる機会があります。ガルシア氏は、2022年に研究助成金を申請し、ロボット犬の開発に124万ドル(約1億9000万円)を受け取りました。「20カ月以内に、国防脅威削減局とダグウェイ試験場でテストを実施し、目標の90%を達成しました」とガルシア氏は語っています。
戦うロボット犬も
宇宙軍のプレスリリースではこう述べられています。 「化学兵器探知ロボット犬の開発はまだ途上です。今後、大国間競争におけるチャッピーの敏捷性、競争力、有効性をさらに高めていく計画です…今後のアップグレードでは、機動性をさらに向上させ、より複雑な環境でも移動できるようにすることを目指しています。 さらにセンサー技術と人工知能の進歩により、チャッピーはこれまでにない正確さとスピードで脅威を検知し、対応できるようになります」 一方、宇宙軍のプレスリリースでは、チャッピーの開発に協力した人物が具体的に誰なのかは明らかにされておらず、米Gizmodoはコメント要請しましたが返答はなし。 チャッピーのようなロボット犬は、現在至るところで見られ、世界中の法執行機関や軍隊で働いています。 2023年には、米海兵隊がカリフォルニア州トゥエンティナインパームスの訓練場でロボット犬を使った訓練の動画をYouTubeに公開しました。海兵隊員はロボット犬にロケットランチャーを取り付け、発射の仕方を教えています。動画の中では、海兵隊員が犬を不気味だと言っている場面も。大型のロボット犬にヤギのマスクを取り付けたプロジェクトもあるそうです。なぜヤギ? ウクライナの首都、キエフもロシアとの戦争にロボット犬の軍隊を投入しています。2024年8月には、ドイツの報道機関が前線で活動するロボット犬のビデオや画像を投稿しています。
高橋真紀