久保建英はレアル・ソシエダ残留で「退団は絶対にない」とスペイン人記者「攻撃にスパイスを加える」
【開幕戦はベストではないが他の選手より優れていた】 ラ・レアルが今季も多くの公式戦を戦うなか、久保はラ・リーガ開幕のラージョ・バジェカーノ戦で公式戦をスタートした。私たちはこの試合で、久保がイマノル・アルグアシル監督指揮下のチームにおいて、議論の余地のない存在であり続けていることを目の当たりにした。 この日本人ウインガーは、1対1の局面で突破力とイマジネーションを備えた唯一の選手だった。シェラルド・ベッカーが左サイドで制御できない純粋なパワーを発揮したのに対し、久保は右サイドで再び魔法をかけた。 まだベストの状態にほど遠いのは事実だったが、それでも他のチームメイトよりワンランク上のパフォーマンスを披露した。開幕戦のラ・レアルのレベルはかなり凡庸だったが、久保は攻撃にスパイスを加え、他の選手よりも優れていた。 プレーに関与するのに苦労していたが、参加した時は攻撃の重責を担い、チーム最高のチャンスは彼が右サイドからドリブルを仕掛けることで生まれていた。ラージョの選手たちはファウルでしか止めることができず、なかにはアドリ・エンバルバが後半に犯したような非常に激しく危険なものもあった。 しかし、久保はこの日は決定的な役割を果たせず、チームが勝ち点を獲得するのに十分な活躍は見せられなかった。電光掲示板に0-1と表示されたところでイマノルに交代を命じられた事実は、フィジカル的にまだベストコンディションではないことを示している。しかし、シーズン初戦であると考えれば、それはごく普通のことである。
【いつもどおりなら今季もレギュラー】 さまざまな要素を踏まえると、久保が今季もスタメンに名を連ねるのは間違いない。ケガすることなく、いつもどおりのパフォーマンスを発揮できるのであれば、レギュラーの座を確固たるものにできる。 ほかにスタメン入りが確実なのは、GKアレックス・レミロ、センターバック(CB)のイゴール・スベルディアとジョン・パチェコ、左サイドバック(SB)のハビ・ロペス、MFのマルティン・スビメンディとブライス・メンデス、FWのミケル・オヤルサバルの7人。このなかでオヤルサバルは新たなFWを獲得するまで、センターフォワードで起用されることになる。 ロビン・ル・ノルマンがアトレティコ・マドリードに移籍したCBに関して、イマノルが現在、その穴を埋めるために尽力しているが簡単にはいかないだろう。パチェコが代役を務めるのが自然の流れであるが、クラブは経験豊富なCB獲得の可能性を否定していない。 右SBはアマリ・トラオレとアルバロ・オドリオソラが交互に起用されるべきであり、ホン・アランブルは準備を整えてチャンスが与えられるのを待たなければならない。 ミケル・メリーノのアーセナル移籍はラ・レアルサポーター全員にとって悲しいことだが、遅かれ早かれ決定するだろう。ベニャト・トゥリエンテスが新加入のルカ・スチッチやセルヒオ・ゴメスとそのポジションを争う。 一方、プレミアリーグの脅威に晒されたスビメンディは残留になった。過度な心配をしていなかった久保のケースとは異なり、リバプールが契約解除金を支払うことをほぼ決定していたため、クラブ首脳陣は震えあがっていた。 左ウイングはすでに開幕戦で示したように、ベッカーがレギュラーを務められるため、アンデル・バレネチェアは試合に出るために万全な状態を維持しておかなければならない。 ベッカーはパワー、スピード、相手DFの裏に抜け出す能力など、他の選手とは異なる特徴を備え、イマノルにとって面白い存在だ。さらに右でも左でもプレーできるので、バレネチェアだけでなく、久保にとってもライバルとなる。久保自身のさらなる成長を促し、スタメンの座を維持するための原動力となってくれるはずだ。(髙橋智行●翻訳 translation by Takahashi Tomoyuki)
ロベルト・ラマホ●取材・文 text by Roberto Ramajo