「昔語り」「ミスを隠す」より嫌われる上司の言動"ワースト1”、これをされたら部下の事務処理能力は6割下がる
この事態を防ぐのに、2分間ルールが有効なのです。「指導内容を書き出して、PREPに落とし込んで2分間に収める」というプロセスを通じ、上司の方も事前に頭をクールダウンできます。認知バイアスに振り回された言動をしなくて済み、「相手が自発的に望ましい行動をする」という指導本来の目的を達成しやすくなり、パワハラで訴えられるリスクも減ります。 ・指導される側のメリット そもそも、指導を受ける人の集中力は短時間しか持続しません。受けたいと思っていないからです。そのうえ指導が終わる時間がわからないと、緊張の糸が切れやすく、途中から「上司は機嫌が悪くてただダラダラと怒っている。罰ゲームみたいなものだ」という感情がわいてくるものです。
これに対し、最初から「2分で終わる」と予告されていれば、受け入れ態勢ができます。それに「この指導は上司が準備を重ねて洗練させた2分間だ」と考えると、多少厳しい言葉を言われても素直に受け入れやすくなります。 ・周囲の人たちのメリット パワハラを見ている人たちは、自分がされているわけでなくても不快感からパフォーマンスが下がっていきます。多くの人は心の中で「パワハラを受けている人を助けてあげたい」と思っていても、実際に怒っている上司に「それはパワハラじゃないですか?」とその場で割って入るのは難しいものです。
でも2分間ルールがあれば、「2分過ぎましたよ」とタイムマネジメントの観点から割って入りやすくなります。 ■ゆっくり、はっきりとした口調で話す効果 以上から、2分間ルールは実施する価値があると考えられ、私のクライアント企業にも推奨しています。 逆に「問題が発覚した瞬間、感情をそのまま口に出した」場合、そのときの言葉は、あなたの本心ではなく、認知バイアスが作り出した、最悪の言葉である可能性があります。最悪な言葉は相手を傷つけ、あなたの人生をも転落させます。私は認知バイアス的言動で、全てを失った人をたくさん見てきました。この悲劇はもう繰り返してほしくありません。