ヘッジファンドのミレニアム、高報酬トレーダーが1年足らずで退社
(ブルームバーグ): ヘッジファンド運営会社ミレニアム・マネジメントが今年採用した高報酬トレーダーの1人であるジョン・カーティス氏が、入社後1年足らずで退社した。
事情に詳しい関係者によると、イジー・イングランダー氏率いるミレニアムに同業エクソダスポイント・キャピタル・マネジメントから今年移籍したカーティス氏は、リスク限度に関する同社の指針を超えた。この件について同社はカーティス氏と数回話し合ったという。
同社はカーティス氏の運用成績がピーク時から低下したのを受け、同氏のトレーディング資本を最近20億ドル(約3100億円)から15億ドルに減らした。同氏の運用リターンは入社以来、ネットベースで1桁台前半のマイナスだが、取引はストップロスを発動するレベルではなかったと関係者は匿名で話した。
カーティス氏とミレニアムの広報担当者はコメントを控えた。
ミレニアムのようなマルチ戦略ヘッジファンドは、マーケットニュートラル取引戦略に重点を置いて安定した収益を上げることで知られる。1人の花形トレーダーで名声を築く一部ヘッジファンドとは異なり、マルチ戦略型は、高い実績を持つトレーダーのチームを雇用し、一定のルールと厳格なリスク制限を課すことで運用の失敗を回避している。 こうした厳格なアプローチにより、多くのトレーダーが職を失っている。
カーティス氏は、エクソダスポイントでトップクラスの運用成績を誇っていたマネーマネジャーの1人で、4年余りで数億ドルの利益を生み出していた。同氏を引き抜くためミレニアムは5000万ドルを超える報酬を約束したとブルームバーグは以前に報じていた。
原題:Millennium Cuts One of Its Priciest Trading Hires Within a Year(抜粋)
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Nishant Kumar