宮内庁が管理する「天皇の宝物」が公開…「正倉院展」が“異様なほど”人を集められるワケ
1300年も前のお宝が現存するという奇跡
昨今、日本では、大規模な災害が続きますが、コンビニなどの略奪がおこらず、配給に並び、互いにわけ与えながら過ごす日本人。スポーツ観戦のあとに自分たちの座っていた周りを掃除して帰る日本人サポーター。第二次大戦中でいえば異国の地で敗戦し退却するときに、いくら飢えていても民間人の村落を荒らさずに死んでいった日本兵。 どの時代にも日本人は自我を抑え、周囲を思いやり、調和を重んじてきました。和の心と呼ばれる心根です。この和の心は、縄文時代から続き、正倉院の宝物をも守ってきたのです。 煌びやかな装飾をほどこした鏡や箱、楽器、色ガラスの器や花瓶など、シルクロードを通って、ヨーロッパや中東、インドから伝わった、日本産の品とはあきらかに異なったエキゾチックな品々はとても美しく、人々の目を引きます。 他国の博物館に同じような宝物があってもほとんどが出土品。正倉院にある宝は、ずっと大切に保管されてきた伝世品です。そして五弦琵琶など、正倉院にしか現存しないものもあります。正倉院は、和の心がもたらした、世界の奇跡なのです。 池田 訓之 株式会社和想 代表取締役社長 (※本稿はあくまでも一例で、地域や宗派により内容は異なることがあります。)