「この子は強いよ」神取忍が認めた…格闘界のホープだったNØRIがプロレスに受けた衝撃「神取さんがRIZINでギャビと…こういうのアリなのか」《特別グラビア》
「この子は強いよ」神取が認めた実力
今年5月に旗揚げしたマリーゴールドには、7月の両国国技館大会から参戦。神取、貴子とトリオを結成した。記者会見で舌戦になると、神取がNØRIを指して言った。 「この子は強いよ」 柔道の日本チャンピオンからプロレス入り、総合格闘技にも出場した神取だけに、NØRIの実力もよく分かるのだろう。プロレスの奥深さに向き合い試行錯誤していることも。そんな中でのビッグマッチ、他団体参戦も初だ。神取の言葉が大きな力になった。 両国大会で自らフォール勝ちしたNØRIは、シングルリーグ戦にも出場。マリーゴールドのロッシー小川代表が道場を訪れ、直々にオファーするという破格の待遇だった。神取は「引き抜きじゃないよね?」と取材陣を笑わせたが、NØRIとしては即決だった。さまざまな選手とアウェーで闘えば、一気に経験値を高めることができる。 緊張してしまい納得のいく内容にはならなかったが、林下詩美戦ではプロレス・格闘技人生で初めて後楽園ホール大会のメインを務めた。スーパーフライ級王者の翔月なつみには勝利し、豊富なキャリアを持つ野崎渚に善戦。タッグベルトを持つMIRAIとは引き分けている。MIRAIとの試合はリーグ戦の中でもとりわけ楽しかったという。 「林下選手、MIRAI選手、ビクトリア弓月選手は柔道をやっていたと聞いて意識してたんです。どれくらい強いんだろうと思ってMIRAI選手に寝技勝負を仕掛けてみたら、きっちり対応してきました。プロレス技の攻防でもしっかり受けてくれる選手で、あらゆる面で楽しかった」
「テーマは自分に変なストッパーをかけないこと」
リーグ最終戦では、新人の弓月に逆転負けを喫してしまう。弓月はスターダム時代に新人王トーナメントで優勝しているホープ。小兵だが小気味いい動きにNØRIは戸惑った。 「格闘技は階級制なので、相手の体格が自分と近いんです。そういう意味で林下選手やMIRAI選手はやりやすかった。大きい選手も思い切りぶつかればいい。でも小さい選手だと、蹴りの高さも変えなくちゃいけない。神取さんたちレジェンド方からは“まだ遠慮がある”って言われます」 今年いっぱいはプロレス専念。プロレスラーとしてのレベルを上げていきたい。11月18日の『神取忍還暦祭り~人生もう1度、これからも真向勝負』(東京ドームシティホール)では弓月とのリマッチが組まれた。 「テーマは自分に変なストッパーをかけないことです。それができないと、いつかまた躓くことになると思うので」 現時点でも魅力的ではあるのだが、格闘家だから強いというだけではない“プロレスラー・NØRI”が大爆発するところも見てみたい。“打撃に専念した大谷翔平”のような凄味が、NØRIにもあるはずなのだ。《後編に続く》 (撮影=三宅史郎)
(「濃度・オブ・ザ・リング」橋本宗洋 = 文)
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