全国高校サッカー選手権 群馬県代表 前橋育英高校 竹ノ谷選手の想い
全国高校サッカー選手権は今月28日に開幕します。群馬代表・前橋育英には、特別な想いを持って大会に臨む選手がいます。 左サイドバックを務める2年生の竹ノ谷優駕選手です。元々はボランチを務めていて、プレー中の予測や強いメンタルで攻守にバランスをもたらしています。ヘディングも持ち味で、群馬県大会準決勝ではセットプレーの流れから得点を決めました。 ゴールのとき、天高く掲げた両手。竹ノ谷選手には、特別な想いがありました。 実は大会期間中にネパール人の父スベディ・ティカラムさんを交通事故で亡くしたのです。 「絶対この試合、父のためにも活躍するぞって気持ちで臨んで、試合前からゴールを決めたら父に「ありがとう」って意味を込めて(手を)上に(掲げて)捧げることは決めていたので、その時は正直涙も出て。でもすぐ泣き止んで。「ありがとう」って気持ちを伝えました。狙ったゴールでもなかったのでびっくりしていて、絶対父が自分の近くについて見てくれていたんだなと思っています。」(竹ノ谷選手) サッカーが大好きだった父の影響で双子の弟とともに3歳からサッカーを始めました。 「(父は)とてもサッカーが好きで、自分たちをサッカー選手にさせようって気持ちがすごいある人でした。自分が小学校の頃もあり得ないくらいサッカーのことで怒られることもありました。」(竹ノ谷選手) 寮の部屋には、幼いころの家族写真が。「父がいたから前橋育英でサッカーができている」試合前にはこの写真を見て気持ちを強くしているといいます。 「本当は高校サッカー選手権で活躍している姿を父に見せたい気持ちが1番なんですけど、もうそれは叶わないので、逆に父は絶対どこからでも見てくれていると思うので、父のためにも絶対全国優勝できるように頑張りたいと思います。」(竹ノ谷選手) まもなく開幕する全国高校サッカー選手権。前橋育英の初戦は29日。父が天から見守る中、竹ノ谷選手は全国の舞台に挑みます。