寒暖差がひどい今年。“秋枯れ肌”には睡眠しながら効く「オーバーナイトケア」を!【美の巨匠・齋藤薫さん連載】|STORY
数々の女性誌で長年活躍している美容ジャーナリスト・齋藤薫さんが、STORY読者の悩みに寄り添うQ&A連載。体の変化が目に見えて表れはじめ、不安や悩みも増えてくる40代に、美の先輩からの叡智をお届けします! 【アイテム別にチェック】“オーバーナイトケア” 6選
お悩み:【秋枯れ肌】
今年の秋は寒暖差がひどく、身体も対応しきれていないのですが、鏡に映った自分の顔がどんよりくすんでいて、乾燥しはじめているのにびっくり。早めに対処したいのですが、どんなケアが必要でしょうか。 ●40代の肌を最も老けて見せるのが くすみ&肌痩せ=肌枯れ 肌が老けて見える最大の原因、それは小ジワでもシミでもなく、“肌痩せ”であると言われる。特に40代は、“たるみ”よりも“くすみや肌痩せ”の方が、身近なトラブルだけにむしろ深刻であると考えるべき。 ちなみに、「肌が痩せると、肌色もくすむ」と言う相関関係にあることも覚えていて欲しい。それこそ、花が枯れてしぼむと、花びらの色までくすんでしまうように。だから、肌痩せとくすみを合わせて“枯れ肌”と位置付けよう。 そして特に秋は、枯れ肌が増えてくるシーズン。夏の紫外線ダメージと夏バテが残した疲労感、秋口からの乾燥も手伝って、言うならば“秋枯れ“と言ってもいい状態に陥っている。ちょうど秋に草花が枯れてくるように……。 ●枯れた肌にしっかり水をあげれば ピンと立ち直り、明るく咲き直す 枯れた肌にマストなのは、言うまでもなく保湿。だけれども、単なる保湿では間に合わない。もっと集中的かつ根本的な保湿が必要。 なぜならば、この季節は肌を貯めるタンクそのものがダメージを受け、潤いが逃げてしまうために肌が痩せてしまいがち。だからこそ、そのタンクを修復しつつ水分で満たすことが必要になってくるのだ。 そこまでして肌はようやくふっくらと膨らみつつ潤うはず。さらに言うならそうやって膨らませた肌は、くすみが取り払われて、内側から明るく艶めくようになる。まさしく枯れかかった花に水をやることで、しおれた花びらがぴんと立ち直り、花びらの色まで生き返ったように朗らかに明るくなる、あの小さい感動を想像してみてほしい。 ●そこで“オーバーナイトケア” 一晩かけてじっくりと修復&充填 今ナイトケアがかつてないほどの注目を浴びている。以前のナイトケアは、肌の新陳代謝が活発になる睡眠中めがけて潤いや活力を送り込むと言う、ある意味単純なものだった。それが次世代のナイトケアは、睡眠ホルモン「メラトニン」に働きかけたり、モノによっては遺伝子レベルで肌を修復しながら、夜中に活性化する成長ホルモンそのものに働きかけるような目覚ましい進化を遂げている。つまり睡眠時間とその肌サイクルを最大限に利用する“極めて賢いナイトケア”が今、次々生まれているのだ。 これこそが、一晩で枯れた肌にもう一度命を吹き込むように、肌のボリュームアップを図る鍵。枯れてしぼんだ潤いタンクを膨らませるように修復しながら、そこを水分でいっぱいに満たすから、朝目覚めた肌がふっくらと明るい……まさに化粧品だけではできない仕事を、睡眠と共同でやってのける、最高に効率の良いエイジングケアと考えていい。 そもそも秋は、スキンケアに最もふさわしいシーズンと言われる。天候も安定し、光も穏やかになって、精神的にも落ち着くから、ストレスの邪魔も入らない。秋枯れ肌には、秋の夜長の睡眠ケア。まさにお手入れ時だということ、知っておきたい。