鹿児島県薩摩地方に「高潮特別警報」発表 経験したことのないような高潮のおそれ
28日16時20分、鹿児島県薩摩地方に「高潮特別警報」が発表されました。経験したことのないような高潮のおそれがあり、最大級の警戒が必要です。自分の命、大切な人の命を守るため、地元市町村が発表する情報に従って早めに身の安全を確保してください。
経験したことのないような高潮のおそれ
28日16時20分、鹿児島県薩摩地方に、暴風特別警報と波浪特別警報に続いて「高潮特別警報」が発表されました。鹿児島県では暴風や高波に加えて、経験したことのないような高潮となるおそれがあります。 台風接近時には潮位が高くなり、沿岸や河口付近の低地では浸水や冠水のおそれがあります。潮位が堤防を越えなくても、潮位が高い中で高波があると波が堤防を越えて浸水するおそれもあります。 自分の命、大切な人の命を守るため、地元市町村が発表する情報に従って早めに身の安全を確保してください。
特別警報とは
特別警報とは、重大な災害が発生するおそれが著しく大きいときに、市町村単位で発表されるものです。 台風を要因とする特別警報は、数十年に一度の強度の台風により暴風・高潮・高波になると予想されるときに発表されます。台風の中心気圧が930hPa以下、または中心付近の最大風速が50メートル以上で近づく場合に発表されるものです(ただし、沖縄地方、奄美地方及び小笠原諸島については、中心気圧910hPa以下又は最大風速60m/s以上)。台風の特別警報は1959年に死者行方不明者5000人以上を出した伊勢湾台風クラスの勢力の台風が該当します。 今日28日は、高潮特別警報の発表に先立ち、13時に鹿児島県に暴風と波浪の特別警報が発表されました。台風を要因とする特別警報が発表されたのは、2022年の台風14号以来です。
台風の高潮から身を守るには
台風など発達した低気圧は、中心付近の気圧が低いので、水面が吸い上げられる効果と、強い風によって海水が海岸に吹き寄せられる効果が重なって、高潮が発生することがあります。高潮から身を守るには、次の2つのことが大切です。 1つは、台風が接近するタイミングなど、情報を収集することです。大潮の時期かどうか、また、満潮時刻も確認しておきましょう。 もう1つは、台風が接近する前に、なるべく早く避難することです。台風本体が近づくと、暴風や猛烈な雨、波しぶきなどに邪魔されて、避難所に行くのが大変です。海水が防波堤を越えると、あっという間に浸水してしまいますので、明るい時間帯など、安全に移動できるうちに、避難してください。 高潮から避難する場合は、なるべく高い所、海岸より遠い所、鉄筋など頑丈な建物を選んでください。
日本気象協会 本社 日直主任