東日本大震災から13年 災害時情報収集は“複数の手段”が必要…SNSだけではなく「コミュニティFM」の活用も 専門家が解説
TOKYO FMグループの「ミュージックバード」が、東日本大震災を機に全国のコミュニティFMを通じて毎年3月11日に放送している特別ラジオ番組「KIZUNA Station」。岡野美和子と大西貴文がパーソナリティを担当し、東日本大震災以降、進化した災害への対応力や日常生活における災害対応のヒント、自然災害への備えについて紹介していきました。 午後4時台の第4部では、防災を日常に取り込む「フェーズフリー防災」と「コミュニティFMの役割」について各専門家に伺いました。
◆「フェーズフリー防災」を考える
東日本大震災から13年。2024年は元日に能登半島地震が発生し、3月は千葉県東方沖などでも地震が頻発しています。今年の「KIZUNA Station」では、「フェーズフリー防災」に注目しました。 「段階」や「局面」を意味するフェーズと、「自由」や「制約がない」を意味するフリーを組み合わせた「フェーズフリー」という言葉には、災害という局面と、普段の生活との境界・境目をなくした防災の趣旨が込められています。防災のために何かを特別に備えるのではなく、普段使っている物やサービスが災害時にも役立てられることを考えるのが大切です。 能登半島地震の大きな被害を受け、政府はホテルや旅館などを活用する「2次避難所」について、被災自治体などと調整を進めました。今回、ゲストで出演した災害リスク評価研究所代表・松島康生(まつしま・やすお)さんは、常日頃から家族・友人・隣人とコミュニケーションを取っておくこと、緊急時に滞在できそうなホテルを把握しておくことが重要だと話します。 松島さんは「火事や地震などの災害が発生した場合、自分はどこに避難するかを想像してほしいです」と注意喚起し、相互に頼り合う関係性を構築しておくことで、有事における不安を軽減できると述べました。 また、災害時に着の身着のままで外に出た場合に困るのは、替えの服や下着です。「古くなったもので使えるものってありますよね。そういったものを圧縮袋に入れて(緊急時に身を置く場所に)置いておいたり、避難袋に入れておく。そういったものも再利用できるのかなと思います」と、一歩進んだ備え方を提案してくれました。