東日本大震災から13年 災害時情報収集は“複数の手段”が必要…SNSだけではなく「コミュニティFM」の活用も 専門家が解説
◆情報収集の手段はSNSだけではなく、コミュニティFMも
東日本大震災をはじめ、大地震によって大きな被害が各地で出るたびに、全国各地で開局が進んだコミュニティFM。地域に寄り添った放送をおこない、国内で343局が放送中です。 今回、ゲストにコミュニティFM専門ブログ「コミュニティFM大図鑑」を運営するコシバタカシさんを招き、コミュニティFMの役割について聞きました。 コシバさんがはじめてコミュニティFM局に足を運んだのは1995年のこと。「エフエム多摩G-WIND」(2010年閉局)の関係者はコシバさんを温かく迎え入れ、ときには生放送に参加することもできたと振り返りました。コシバさんはその後も全国ほとんどのコミュニティFM局を訪ね、ブログ内で紹介しています。 災害が年間を通して頻発する現在においては、コミュニティ放送局が地元の情報を発信することは大きな意味を持ちます。 東日本大震災では30もの臨時災害放送局が立ち上がりましたが、それ以降もコミュニティFM局として放送を続けている局もあります。「災害がきっかけとなりましたが、情報の大切さというものを地元が認識してコミュニティFMを作る流れになったのはよかったと思います」とコシバさんはコメントしました。 地域に根差すコミュニティFMは、普段の放送も重要な役割を担います。地域住人であるリスナーにとって、役に立つ情報を発信することは大切だと前置きをしつつも、コシバさんは「この局なら、いつもあの人の声が聞こえるというのも重要なんじゃないかなと思います。災害が起こったときに、馴染みの声の方がアナウンスをすれば、聴いている側は安心しますよね」と、リスナー・地域住人とアナウンサー・放送局との距離の近さの大切さにも言及します。 全国各地で地域を支えるコミュニティFMですが、情報発信の多様化により、閉局を迎えたコミュニティFMも存在します。自宅にラジオを所持しておらず、スマートフォンのアプリ等を介してラジオを聴く人も少なくありません。 しかし、災害によってネット回線が断絶したり停電が発生したりすると、情報を得られなくなる可能性があります。「SNSの活用もいいのですが、コミュニティFMも大事にしてほしいです。(情報収集は)複数の手段があったほうが、より多くの命が助かると思います」とコシバさんは最後に進言しました。 (「KIZUNA Station」2024年3月11日(月)放送より)