財産を渡すときに「相続税」よりも「贈与税」の方が得になるケースがあるって本当?最適な贈与が110万円とは限らない理由とは
財産を渡すときには、受け取る側に発生する税金について考えておく必要があります。財産を受け取る際に発生する税金とは、例えば、亡くなった人の財産を相続する際に発生する相続税や、年間110万円を超える財産を贈与された際に発生する贈与税などです。 この2つの税金はそれぞれ発生するタイミングや税率が異なり、場合によってはどちらかを払った方がお得になる可能性もあるのです。 本記事では、財産を「相続」よりも「贈与」として渡した方が節税につながるケースについて、詳しくご紹介します。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
相続税と贈与税の違い
亡くなった人の財産を配偶者や子どもなどが引き継ぐことを「相続」といいます。相続財産が基礎控除額を超えたときに発生する税金が、相続税です。基礎控除額を超えた場合には申告が必要になるので、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に手続きをして納税しなければなりません。 一方、贈与税は年間110万円を超える財産をもらったとき、もらった人が払う税金です。110万円以下の場合は贈与税について申告の必要はありません。 また、相続の場合だと対象になるのは、配偶者や子、直系尊属など、亡くなった人の相続人であることが一般的ですが、贈与の場合は贈与者との関係は問われていないため、家族や親族以外の人であっても対象になります。
相続税と贈与税の控除額
相続税の課税対象になるのは、課税価格の合計額から基礎控除額である「3000万円」と「600万円×法定相続人の人数」を差し引いた金額です。例えば、2億円の遺産を配偶者と子ども2人で相続する場合「2億円-(3000万円+600万円×3人)=1億5200万円」が課税遺産総額となります。 これを法定相続分であん分し、それぞれ税率を乗じて控除額を差し引いたものを合計して相続税の総額を算出します。この金額を相続割合であん分すると、実際に納める相続税の金額を知ることが可能です。 一方、贈与税は1年間に受け取った財産の合計から基礎控除額である110万円を差し引き、残りの金額に応じた税率を乗じて計算します。