「通常のビジネス感覚で成立しなくても、やるべきはやる」介護業界の救世主、岡山の企業とは/廃業危機の介護事業者を「救済型M&A」で救い続けて ~土屋前編
◆M&Aの失敗は「出会いの段階」にあり
――これまでM&Aで失敗した例は1件もないとのことですが、事業の承継を受ける側として成功のポイントを教えてください。 自分たちの理念や考え方をしっかりと言語化して発信するということではないでしょうか。 会社どうしも人と人との関係と同じで、仲良くやれるかどうか本能的にわかるものです。 だからこそ自己開示が「間違った出会い」をなくすことにつながります。 M&Aが失敗するケースでは、はじめの出会いのところですでに失敗していたのではないかと私は見ています。 互いにいいところも悪いところも含めて情報を発信することで、ミスマッチは防げるものだと思います。
■プロフィール
株式会社土屋 代表取締役 兼CEO最高経営責任者 高浜 敏之(たかはま としゆき) 慶応義塾大学文学部哲学科卒 美学美術史学専攻。 大学卒業後、介護福祉社会運動の世界へ。 自立障害者の介助者、障害者運動、ホームレス支援活動を経て、介護系ベンチャー企業の立ち上げに参加。 デイサービスの管理者、事業統括、新規事業の企画立案、エリア開発などを経験。2020年8月に株式会社土屋を起業。代表取締役CEOに就任。
(文・構成/大島七々三)