【お悩み】水は出しっぱなし、靴は脱ぎっぱなし…だらしない娘、どうしたらいい?
大人顔負けのことを言うかと思えば、驚くほど子どもっぽい面もあり、そのギャップが親を翻弄する思春期の子どもたち。今回の相談者は、その「子どもっぽさ」に頭を抱えているようです。リアルな悩みを聞いてくれるのは、「ビリギャル」として知られる小林さやかさん。先日、アメリカのコロンビア大学教育大学院を「オールA」で卒業した彼女が、親世代に伝えるアドバイスとは? 【写真】続く不合格に「浪人する」 あきらめた息子を変えた母の行動
【相談】
Q.水道は出しっぱなし、ティッシュなどの生活用品も無駄遣いする、脱いだ靴をそろえない、食事中にイスの上であぐらをかく……など。中学3年の娘は、「思春期」以前の「人間として本質的な部分」ができておらず、いくら注意をしても改まりません。このまま大人になったらどうなるのか、外に出たときもこんな行儀の悪さを露呈してしまっているのではないかと悩んでいます。今はまだいいですが、この先、こんなことで大人になっていけるのだろうかと気がかりでなりません。直すならば今のうちだと思うのですが、どうしたらいいでしょうか。(母親・40歳・東京都在住)
強制ではなく、本人が気づくことが重要
【回答】 まず、私もこうだったと思う(笑)。このお母さんは、きっとキッチリされている方なんだろうなあ。私は今アメリカにいますが、周りには大人になってもこういうことができていない人が多いです(笑)。すぐにいろんなところに靴のまま足をのっけるし、ニューヨーク市は水道代が無料なこともあり、みんなジャカジャカ水を使います。娘さんに偉そうに言えない大人ばかりです。 ただ、私は「人間の本質的なもの」って、優しさとか思いやりとか愛とか、もっと深いものだと思うので、別にそこまで悩むことだとは思いません。でもどうしても何とかしたいと思うなら、例えば光熱費の支払いを娘さんにやってもらうというのはどうでしょう。中学生なのでお金を出してもらうことはできませんが、振込用紙とお金を渡して、コンビニで払ってきてもらうんです。どれぐらいのお金がかかっているかがわかったら、水道を使うときの意識も少し変わるかもしれません。 あるいは感受性に訴えるという手もありかも。環境汚染や温暖化の実情についてのドキュメンタリーなどを見ると、「水、出しっぱなしにしている場合じゃないな」って感じます。私がインドでショックを受けたのは、車に乗っているとき、現地の子どもが窓をノックしてお花を売りにきたとき。本当に小さな子が裸足で車道を歩いているんです。そうしたときに、この子たちはティッシュなんて当然買えない、やっぱり自分たちは無駄遣いしている場合じゃないなと気づくわけです。 要するに、私たちはすごく恵まれているのに、それになかなか気づくことができないし、自分の環境を当たり前のものだと思っている。そこに本人が気づくことができれば、言動は自然に変化します。お母さんは「直すならば今のうち」とおっしゃいますが、娘さんの「当たり前」の価値観は、本人が何か感じたりして感情が動いたときにしか、本当の意味で変わらないんじゃないでしょうか。周りに強制されて無理やり直すのでは、あんまり意味がないように思います。 私もそうでしたが、お母さんが直してほしいと思っていることは、一人暮らしをすれば自然に直ったりします。私も初めて実家を出たとき、水もティッシュも、めちゃくちゃケチるようになりました(笑)。つまり、きっかけがあれば必ずやるようになるけど、でも今はやる必要がないと思っているということ。必要に迫られれば、勝手に改善されます。