【お悩み】水は出しっぱなし、靴は脱ぎっぱなし…だらしない娘、どうしたらいい?
なぜダメなのか、刺さる理由を
お母さんが追いかけ回して、「できなかったら100円没収」とかペナルティーを決めたとしましょう。そうするとその瞬間は直るかもしれないけど、逆に親元を離れたら元に戻る恐れもある。親が強制してやらせるのは本質的な解決策ではない、ということを理解したほうがいいと思います。 多くの親御さんを見ていて感じるのは、どうしても話の軸が親側の受け止め方にあることです。その軸を子どもの側に置かなければ、本人は変化しません。例えば、「だらしないとモテないんだな」と気づくとか、子ども自身が「礼儀正しいほうが得をする」と感じなければ意味がない。なぜ生活用品の無駄遣いがいけないのか、イスの上であぐらをかいたらダメなのか。本人が理解できないうちは叱られても「わけわかんない」「うざい」と思われてしまうだけ。子どもは大人以上に「なぜ」を大事にしているから、ロジカルにアプローチしないと刺さりません。高校生になってバイトを始めたら、マジで水道代を負担してみてもらえばいいんです(笑)。
プロフィール
小林さやか(こばやし・さやか)/1988年、名古屋市生まれ。中学・高校でビリを経験。素行不良で何度も停学になり、高校2年生のときの学力は小学4年生のレベルで偏差値は30弱だったが、塾講師の坪田信貴氏との出会いを機に大学受験を目指す。その結果、1年半で偏差値を40上げて慶應義塾大学に現役合格を果たした。その経緯を描いた坪田氏の著書『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』は120万部を超えるミリオンセラーとなり、映画化もされた。大学卒業後はウェディングプランナーの仕事に従事した後、「ビリギャル」本人として講演や執筆活動を行う。2021年、聖心女子大学大学院文学研究科人間科学専攻教育研究領域博士前期課程修了。24年5月に米国コロンビア大学教育大学院で認知科学の修士号を取得。近著に『ビリギャルが、またビリになった日 ─勉強が大嫌いだった私が、34歳で米国名門大学院に行くまで─』(講談社)がある。
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