〈オウム真理教は死なず〉公安調査庁がSNSで異例の注意喚起…担当者が語るその理由「当時を知らない若者たちがオウム真理教のターゲットに…依然として麻原彰晃の影響下にある」
6月下旬より、公安調査庁が公式サイトおよび公式Xにて、「オウム真理教」に関する特集をはじめ、ネット上で大きな話題になった。なぜこのタイミングでオウム真理教の企画だったのか、その理由について公安調査庁に話を聞いた。 【画像】オウム真理教の影響が今も…後継団体の施設で発見された驚きの光景
公安調査庁が改めてオウム真理教を特集した理由
今年6月、公安調査庁の公式Xが〈公安調査庁では、今後、全8回に分けて、オウム真理教について解説します。オウム真理教ってどんな団体?何をしたの?今は何をしているの?そんな方々はぜひご覧ください〉というポストを投稿した。 するとSNS上では反響が大きく、このポストは1100万以上のインプレッションを獲得。〈これは記録したい〉〈なんじゃこりゃすごいぞ〉〈公安仕事してる〉〈風化させないようよろしくお願い致します〉〈いまの若者はぜひ見るべき〉といった声が寄せられた。 その後、公安調査庁は予告通り、8月初旬まで8回にわたってオウム真理教に関する特集を展開。団体の概要から、当時起こした事件の詳細、そして現在も続いている後継団体の不穏な動きなどを解説していった。 それにしても、1980~1990年代に精力的な活動を見せたオウム真理教の特集を、なぜ令和の今になってしたのだろうか。公安調査庁の渉外広報調整官・市川慶さんが答えてくれた。 まず本題に入る前に、公安調査庁とはそもそもどういった組織なのか。「公安」という言葉自体は、漫画やドラマで目にする機会こそ多いが、その実態を詳しく知っている人は少ない。 「公安調査庁における調査官の仕事は、大きく分けて『調査(現場)』と『分析(本庁)』の2つに分かれます。 調査については、当庁が関心を有している事項について情報を有している情報提供者に協力を依頼し、ヒューミント(人的情報収集)により情報を得ることがメインの業務となります。情報提供者から提供を受けるためには、信頼関係を構築していくことが何よりも重要であり、現場の調査官は日夜、情報提供者と接触しながら信頼関係をコツコツと築き上げるための活動をしています。 分析については、現場から報告される情報やインターネット上などの公然情報から脅威評価レポートを作成し、関係省庁に対して情報提供することがメインの業務となります。膨大な情報の取捨選択や、情報そのものの信頼性の判断など精度の高い分析を行なうためには、豊富な知識と経験が求められます」(渉外広報調整官・市川慶さん、以下同)
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