競輪レジェンド神山雄一郎のラストラン “真相”知らず先行した36歳競輪選手「最後までハグの意味がわからなかった」
立川競輪場の「開設73周年記念・鳳凰賞典レース(G3)」が4日に幕を開ける。一次予選1Rを走る真船圭一郎(36歳・福島=94期)に話を聞いた。 先月の24日に引退会見を行い、選手生活36年に幕を下ろした神山雄一郎。ラストレースは23日が最終日だった取手競輪FIシリーズの7Rだった。真船はその最後の舞台で神山の目標に抜てきされた。 「2日目から補充で入ったんですけど、現場の選手間でも引退なのかな、みたいな雰囲気はあったんです。でも本当かどうかはわからなくて…」 最終日も半信半疑だったといい「恐れ多くてご本人に聞くわけにもいかないでしょう。だから普段と変わることなく走ったんです」と、いつも通りに持ち場を務めた。レースは真船が先手をにぎると、神山が2センターから踏み込み3番手の飯嶋則之とワンツーが決まった。「レース後、神山さんからハグされて『ありがとう!』って。でも、レース後の普段のハグなのか、最後のレースって意味のハグなのか、どっちのハグだ? って最後までわからなかったんです(笑)」と最後の最後まで真相は解明されぬまま、取手競輪場をあとにした。 それでも「終わってみて、そんな大役とは思わなかった。今、思えば一番緊張したレースかもしれない」と振り返った真船。競輪界に名を遺す偉人のラストレースを彩り、最高の思い出となったに違いない。(netkeirin特派員)