ドイツ・サッカーが直面した、かつてない深刻で苛烈な脅威【ワールドサッカーダイジェストのザ・ジャーナリスティック】
試合延期が続くその先にはクラブ破産と大量の失業者
善意の輪が広がりを見せている。キミッヒ(左)とゴレツカ(右)が始めた救援プログラムにはすぐに5億円以上の支援金が集まった。(C) Getty Images
従来の価値観が吹き飛んでしまった今だからこそ、自問自答をしようではないか。そうして「本質」を再発見したその時にこそ、サッカーはこの忌々しいウイルスとの闘いに勝利したのだと、そう快哉を叫ぶことができる。(文:ルドガー・シュルツェ/訳:安藤正純 2020年4月16日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック ドイツ』を転載) ―――◆―――◆――― ドイツ・サッカーはこれまで、幾多の危機と試練を乗り越えてきた。 例えば、1971年の八百長スキャンダル。2部降格を回避するためにアルミニア・ビーレフェルトが仕組んだシャルケ04の買収を発端に結果操作の不正が複数のクラブに広がり、合わせて選手50人、監督1人、クラブ役員6人が永久追放などの重い処分を受けたこの事件は、サッカーの尊厳を著しく貶め、ドイツ史上最大・最悪の八百長スキャンダルとして汚点を残すこととなっ
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