フェルスタッペンとハミルトンの接触、お咎めなし。スチュワードは「ハミルトンはもっと避ける努力できた」と注釈
F1ハンガリーGPの決勝レース終盤、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が接触した事故について、どのドライバーにも非はないと結論付けられた。 【リザルト】F1第13戦ハンガリーGP:決勝 しかし、スチュワードはハミルトンが接触事故を避けるためにもっと努力できたはずだと判断している。 63周目、ハミルトンとフェルスタッペンは3番手争いをしていたが、フェルスタッペンがターン1のブレーキングでインに飛び込み、ライバルを抜き去ろうとした。 ハミルトンがコーナーに進入しようとターンインしたとき、フェルスタッペンはタイヤをロックさせてしまい、フェルスタッペンの左リヤタイヤがハミルトンの右フロントに接触した。 この衝撃でフェルスタッペンのRB20は宙を舞い、ランオフエリアに飛び込んでいったが、なんとかレースに復帰。ハミルトンは3位でフィニッシュし、フェルスタッペンは5位でゴールした。 ハミルトンはこの問題を単なるレーシングインシデントだと考えていたが、フェルスタッペンは違った見方をしており、ハミルトンがブレーキング中に不正に動いたと主張した。 「オーストリアGPでは、ブレーキング中に動いたとか、下らないことをいろいろ言われたよ」 「僕は最初の動きでクルマの位置を決め、その後はまっすぐをキープしているんだ」 「今日はブレーキングで彼が右にターンを続けていた。僕が飛び込んだのに、彼がアウトサイドから近づいてきたからロックアップしてしまったんだ。そうじゃなければ、その前にすでにクラッシュしていただろう。クルマを止めなければならなかったから、ロックしたんだ」 スチュワードはハミルトンのドライビングに対するフェルスタッペンの批判に同意せず、映像やタイミング、テレメトリーのデータを調査した結果、ハミルトンがルールの範囲内でドライブしていたと結論づけた。 しかし、フェルスタッペンがハミルトンの横に並んだことが明らかになった時点で、ハミルトンは衝突を避けるためにもっとできることがあったはずだと指摘した。 スチュワードが発表した声明の中で、FIAは次のように述べている。 「ターン1への進入で44号車(ハミルトン)と1号車(フェルスタッペン)が23号車(アレクサンダー・アルボン)をオーバーテイクした」 「44号車はブレーキングゾーンの手前でレーシングラインに戻り、ターン1への進入を開始した。 1号車は(DRSにより)前の周よりも速くターンに近づき、以前と同じポイントでブレーキをかけた」 「1号車のドライバーは、44号車はブレーキング中に方向を変えたと主張したが、44号車のドライバーは、自分は通常のレーシングラインを走っただけだと述べた(これは、以前の周回のビデオとテレメトリーの証拠によって確認された)」 「1号車は衝撃が発生する前にターン1への進入で両フロントホイールをロックさせたが、典型的な追い越し動作のため通常のコーナリングラインから逸脱していたことは明らかだった」 「44号車のドライバーは、これはレーシングインシデントであると主張したが、1号車のドライバーはブレーキング中の方向転換のせいであると主張した」 「スチュワードは、これが典型的な”ブレーキング中の進路変更”のケースだとは考えていないが、44号車のドライバーは衝突を避けるためにもっと多くのことができたはずだと我々は判断している」 「したがって、我々はどのドライバーにも非はないと判断し、これ以上の措置を取らないと決定した」
Jonathan Noble