「シーズン途中で打者に専念させる可能性も」 大谷翔平、想像以上に深刻な亜脱臼の影響
手術が必要になるケースも
高校時代から夢に描いていたワールドシリーズ制覇を成し遂げ、念願をかなえたロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手(30)だが、どうやら歓喜に浸っているばかりではいられそうもない。来季、最悪の場合は二刀流を「封印」するシナリオも……という証言まであるのだ。 【写真を見る】まるでセレブ! 美人揃いなドジャース選手の「奥さん会」 ***
チームがワールドシリーズを制する一方、大谷選手個人はシリーズ中、19打数2安打と精彩を欠いた。その原因が、第2戦での左肩の亜脱臼にあるのは疑うべくもない。第3戦以降も出場していたことから、ともすればこの故障を軽視する向きもいるようだが、そう楽観視できるものでもない、というのが専門家の見立てである。 整形外科専門医で「とだ小林医院」院長の小林慎一郎医師に聞くと、 「肩関節は構造上、人体で最も脱臼しやすい箇所です。肩関節亜脱臼とは上腕骨骨頭が脱臼したのち、自然に元の位置に整復されたものを指します。関節の可動域・安定性を超えるような外力が生じた場合に起こり、一般的に痛みは2~3週間程度続く場合が多いです」 とのことで、 「例えば関節唇(関節の周囲に付着している軟骨様組織)がはがれていたり損傷していたりすれば手術が必要になることもあり、回復には3カ月から半年を要します。術後のリハビリにある程度の期間を要するため、手術については慎重な判断が求められます」 そもそも痛みが続く期間は安静が必要だというのだが、大谷選手はあえて強行出場し、栄冠を手にした。ここで懸念されるのは、昨年9月の右肘手術後、投手復帰へ向けて進むリハビリとの兼ね合いである。
「早期の投手復帰には消極的」
現地で取材を続ける「Full-Count」編集部の小谷真弥氏が言う。 「当初のスケジュールでは、打者を立たせてマウンドから投げる実戦形式の投球練習が、ポストシーズン中に行われるはずでした。ところが、連日のハードな試合で多くのカロリーを消費したため、この練習は先送りとなりました。現状では右肘の状態に不安材料は見当たりませんが、手術の場合、投手復帰を目指すリハビリに影響が出るのはもちろん、打者としても来季の開幕に間に合わないおそれも生じてきます」 来季のドジャースは3月18日から2日間、東京ドームでカブスとメジャー開幕戦を行い、ここで二刀流が“解禁”される見通しなのだが、チームの事情通はこう明かす。 「入団以来、大谷の後ろ盾となっているフリードマン編成本部長は、健康管理には厳格なことで知られています。大谷自身が投手復帰を熱望している一方、本部長は故障や疲労のリスクを勘案し、早期の投手復帰には消極的です。実は来季、大谷が登板して勝ち星を重ねられなかった場合は、シーズン序盤でも投手を封印し、打者に専念させる腹積もりでいるのです」 最悪の場合、待望の二刀流に“黄信号”がともりかねないのである。むろん、これまでも常識を覆してきた大谷選手だけに、すべてが杞憂に終わる可能性も十分あるのは言うまでもない。 11月7日発売の「週刊新潮」では、亜脱臼がもたらす影響を含め、ドジャースのチーム事情や野球殿堂入りのタイミングなど、「大谷翔平・4つの重大情報」を4ページにわたって詳しく報じる。 「週刊新潮」2024年11月14日号 掲載
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