西十両11枚目の尊富士、白鷹山を寄り切りケタ違いの無傷5連勝 青森力士としても幕内復帰挑む
<大相撲秋場所>◇5日目◇12日◇東京・両国国技館 西十両11枚目の尊富士(25=伊勢ケ浜)が、十両ではケタ違いの強さで5連勝を飾った。 【写真】真っ黒な化粧まわしで土俵入りする尊富士 西8枚目の白鷹山との一番。相手の突き放しを見極めながら、1歩も下がらない。一瞬の隙を逃さずもろ差しになると、一気の出足で寄り切った。 今年春場所で110年ぶりの新入幕優勝を飾った。その場所で痛めた右足首のけがで夏場所を全休。復帰に向けた稽古で左大胸筋を痛めて名古屋場所も初日から休場したが、8日目から出場。2連勝後に再休場した。番付を下げた今場所だが、力差を見せつける。前日の取組後は「気持ちは若々しく頑張るだけ。(ここからエンジン全開か問われ)いや、エンジンがないんで」と笑顔で対応する気持ちの余裕も見せてきた。 青森県出身「津軽力士」としての思いも強い。日本相撲協会の資料によると青森出身の幕内力士は1883年(明16)3月場所の一ノ矢から140年以上途切れていない。 初代若乃花、旭富士ら6人の横綱を輩出の相撲どころ。今場所は兄弟子2人、西前頭15枚目の宝富士、東17枚目の錦富士が伝統を守ろうと奮闘中。ただ、5日目から西十両筆頭の阿武咲が休場となった。 歴史をつなぐ思いを「自分も」と場所前から話していた。早期の幕内復帰に向けても、ただひたすら白星を積み重ねていく。