大久保公園に増える売春女性「買春ツアー」も…“一斉摘発”そして“逮捕後の支援”とは
東京・歌舞伎町、大久保公園周辺で女性が売春目的で客待ちをしている問題は、買春に来る外国人も現れ事態はエスカレートしている。 【画像で見る】“売春目的で客待ち” 増える歌舞伎町で一斉摘発 「ずっとやめたかった」女性の再出発 この実態を受け警視庁は10月から客待ち女性を一斉摘発。 なぜ売春するのか、その理由や逮捕された女性たちが受けられる支援について取材した。 (社会部・警視庁担当 関口絢子)
■大久保公園での売春 その実態は…
女性たちがガードレールに腰を掛けているイメージが定着している東京・新宿区歌舞伎町にある大久保公園。10月の平日の夜、数分間様子を見ると男性が女性に声をかけ一緒にホテルへと向かう姿が。 また、買春目的とみられる男性らが取材中の女性記者や女性スタッフを客待ちの女性と思ったのか、声をかけてくることもあった。男性らははじめに「人待ち?待ち合わせ?」などと売春目的なのか純粋な待ち合わせなのかを探り、おもむろに「2万円出すよ?」と金額を提示してきた。 断るとすぐに違う女性の元へと向かい声をかけ、交渉が成立するまで大久保公園周辺を徘徊して女性を物色していた。
■外国人増加で観光スポット化“買春ツアー”も
日本への外国人観光客がさらに増加した2024年、新宿区歌舞伎町は観光客にも人気のスポットだ。 しかし、SNSを中心に大久保公園周辺に売春目的で客待ちをする女性が多くいるという話が広がり、中には“買春ツアー”が開催されて、参加する外国人もいるという。実際に、取材中の記者は外国人が客待ちの女性に声をかける姿を目にすることもあった。
■警視庁による“一斉摘発”1か月半で50人検挙
警視庁はこうした実態を受け、2024年10月から客待ち女性の一斉摘発を行った。10月10日~11月末時点の検挙数は50人で検挙された女性は10代から30代が全体の85%を占めていて最年少は16歳だったという。(2024年1月~11月末では88人の女性を検挙) 摘発を逃れるためか女性たちはその日ごとに、大久保公園の北側、東側、周辺のビルなど客待ちをする場所が変わるのだという。
■なぜ売春? 悪質ホスト「売掛金」問題は名を変え姿を変え…
警視庁によると売春の理由で最多となったのが、ホストクラブやメンズ地下アイドルなどへの資金(31%)そして趣味(19%)や生活困窮(13%)と続く。 一番理由として多かったホストクラブを巡っては、2023年頃に高額な売掛金が問題となったことで2024年4月から歌舞伎町のホストクラブの多くで売掛金が禁止されていた。 しかしその後も女性客が飲食代を店にツケ払いをする「売掛金」はひとまずホストが代わりに支払う「立替金」や事前に飲食費を稼がせるスタイルに名や姿を変えただけで売春などを強要し飲食費を稼がせることは変わっていないのが実態だ。