大久保公園に増える売春女性「買春ツアー」も…“一斉摘発”そして“逮捕後の支援”とは
■「逮捕だけで終わらせない」警視庁の支援とは…
警視庁では客待ち女性への支援も行っている。逮捕された女性にどういう支援が必要か話を聞き行政が行う支援を紹介するのだという。 女性たちが受けられる支援は自治体により内容は異なるが、居住地、当面の生活費、就職先、病気がある場合の通院など生活全般にわたる。 日本テレビは警視庁支援担当の警察官に話を聞いた。 ──警察官による支援活動というの はあまり聞きなじみがないが? 支援担当の捜査員 「住む場所もない仕事もない、実家とは絶縁状態って人もいるし自分の体でお金が稼げたら今日は漫画喫茶などで一泊しようとか。そういうものを断ち切らせるために住む場所をまず支援して、その後仕事を支援する。逮捕したらそれっきりということではなくて再犯を防ぐためにも行政と手を組んで支援につなげていければ」 逮捕したら終わりではなく再犯を防ぎ更生してもらうために支援につなげるのだという。 しかし、売春をしている女性はこれまでの境遇などから、他人とコミュニケーションをとりたがらない人も多く、支援を実際に受けるのは逮捕された女性のうち2~3割に留まっているのが現状だ。
売春や違法風俗店の取り締まりを所管する、警視庁保安課の半田正浩課長は「女性たちに売春行為は犯罪であるということをまずは理解させなければならない」とした上で「彼女たちが抱えているであろう悪質ホストからの呪縛や生活の苦しさなど動機面を解明しともに模索し人生の再出発に向けた更生への橋渡しとなれれば」と話す。
■客待ちで2度の逮捕 支援受けた女性…「ゼロからやり直せる」
売春目的の客待ち行為で2度逮捕されるも支援をうけ新しい生活を始めている20代の女性に話を聞いた。 女性が売春を始めたきっかけは好きなアーティストのライブに行くための資金調達だった。最初はSNSで売春相手を探していたが、その投稿を見た男から「一緒に稼がないか」と声をかけられたことで事態は一変したという。 男は女性に対し、大久保公園などでの客待ち行為を強要し稼ぎが悪いと暴言や暴力を振るうようになったという。女性は男への恐怖心から休みなく5か月半の間ほぼ毎日客待ちをしていた。 一日4~5人を相手に売春をしていたものの、稼いだ金は男の口座に振り込み家賃や最低限の食費などを除いて女性が受け取った金はなかったという。 ──逃げだそうと思ったことは? 支援を受けた女性 「本当にやめたいってずっと思っていたんですけど男に家を知られている暴力もうけているその恐怖でなかなか抜け出せなかった。警察にいったとしても売春という(犯罪)行為をしていたので相談にいけなかった」 ──転機は? 支援を受けた女性 「2度目の逮捕を受けた時にオレ警察だよって言われた時になぜかうれしくて、『捕まりたかったんです』って言ったら、刑事さんも“大変だったね”って言ってくれて『なんかやっと抜けだせるんだな』って“まだ若いからゼロからやり直せるよ”って言われ『あ、そっかやり直せるのか』って」 ──支援はどういうものを受けた? 支援を受けた女性 「(弁護士や警察官が)区役所の担当の方にも事情とかを一緒に説明してくださって無事その1~2週間後に生活保護の受給がきまって、3~4か月くらい住めるところに入ってそこから区役所に通いながらアドバイザーの方と新しい仕事探したりとかして」 現在は紹介された受付の仕事をしているという女性。普通の生活がとても幸せだと話す。 ──当時の自分に声をかけるとしたら? 支援を受けた女性 「警察の人って苦手な意識があったので相談しに行くっていうことが頭になかった。でも生活がくるしいとか裏で男の人に脅されているとかそういう状況の人だったら今の私みたいに少しは変わると思うし相談してほしいなって思います」 2025年も警視庁は売春目的で客待ちする女性の取り締まりだけでなくその要因の一つとなっている悪質ホストクラブなどの取り締まりも引き続き強化していくとしている。