F1王者ハッキネン、苦戦続くペレスに厳しい指摘「レッドブルの開発においてマイナス。もうルーキーじゃないんだ」
1998年と1999年のF1世界チャンピオンであるミカ・ハッキネンが、2024年シーズン後半戦にかけて苦戦が目立つレッドブルについて語り、チームメイトのマックス・フェルスタッペンに対してセルジオ・ペレスが後れを取ることで、マシン開発にも影響を及ぼしていると語った。 【動画】20年でF1マシンはどれだけ変わった? レッドブル、2005年RB1と2024年RB20を雨のシルバーストンで走行比較 ペレスは今シーズン序盤こそフェルスタッペンに次ぐ成績を残し、レッドブルにポイントを持ち帰っていたものの、第7戦エミリア・ロマーニャGP以降はスランプに陥り、表彰台はおろか上位でフィニッシュできないレースも続いている。 サマーブレイク前にはそのペレスがレッドブルから更迭されるとの噂が世間を騒がせたが、チームは続投を決定。ただ、第5戦中国GP以来表彰台に登ることができておらず、上位4チームのドライバーの中では唯一、今季未勝利という状況だ。 ドライバーズランキングでは7番手に沈むペレス。レッドブルとしても、攻勢を強めるライバルを前に厳しい戦いが続き、コンストラクターズランキングではすぐにでもマクラーレンに首位を奪われかねない状況だ。 ハッキネンは自身を“過去の人”と称し、他のドライバーについて何かしら語ることは好みではないとした上で、フェルスタッペンが孤軍奮闘するレッドブルの現状では迅速なマシン開発ができないとペレスを批判した。 「私は昔の、歴史の中のレーシングドライバーで、他のドライバーのことについて話したり、特に他のドライバーのことを批判したりするのは、決して気持ちの良いことではない。しかしF1は非常に残酷なスポーツで、チームにはふたりのドライバーがいて、他(チーム)のドライバーと戦う前に、当然互いに争うことになる」 ハッキネンはUnibet Internationalに対してそう語った。 「この場合、セルジオ・ペレスはかなり……マックスとセルジオの差は絶えず広がっている」 「つまり、データが得られないということだ。2台のマシンから情報を得ることができないから、必要なモノを素早く開発することができない。それがレッドブルの開発にとって本当に、本当にマイナスになっている」 「さっきも言ったように、ドライバーを批判するのは難しいことなのだ。私は批判を避けるようにしている。私はただ事実を伝えたい。空力的に何をするのか、メカニカル的に何をするのか、様々な調整を行なうことができるようにするためには、ふたりのドライバーが全開で走る必要がある」 「常に比較する必要があるし、レースの週末は時間がないから、1台だけでチームを前進させることはできない。2台が必要だし、ふたりのドライバーが必要だ」 「セルジオ・ペレスはレッドブルのチームに結果を届けることができず、それが成功に影響を及ぼしている。これは非常にネガティブなことだ」 そしてハッキネンはF1で14シーズン目を走るペレスについて、こうも語った。 「セルジオ・ペレスはF1に長くいる。参戦1年目でも参戦2年目でもない。長い間ここにいるのだ」とハッキネンは言う。 「No.1になるために何が必要か? 自分自身を研究し、理解するチャンスが彼にはあった。そして彼にはそれができなかった」 「彼にドライバーとしての才能がないとは言いたくない。他の全てのパラメーターで、マックス・フェルスタッペンに匹敵し、チームが勝てるようになるよう彼が求められていることを実現するために、セルジオ・ペレスをサポートできていないと思う」
滑川 寛