「ここにいたい」「家に帰りたくない」…少年院生活に依存するコウタ(17)が明かした“意外な本心”
N3は平成30(2018)年4月から新たに矯正教育課程として指定された。これは、対人コミュニケーションが苦手で、非社会性の強い傾向がある少年が対象である。生きづらさを抱えている子どもは、社会だけではなく、少年院にもいるということだ。 なお、保護者、少年本人も自分がどのような指導を受ける対象になっているかは知らされていない。
少年院での生活
少年院に収容されてから出院するまでの期間、少年の処遇段階は3つに区分されており、3級から1級へと進級していく。各段階に応じて、具体的な目標や指導が分かれている。 【3級】自己の問題改善への意欲の喚起をはかる指導 【2級】問題改善への具体的指導 【1級】社会生活への円滑な移行をはかる指導 成績はA~Eと5段階に分かれており、A~Cが合格、E、Fは不合格となる。学校と同様、成績判定会議で判定され、不合格の場合はその月の進級は認められない。簡単にいうと違反行為や問題を起こせばE、F評価となり、少年院にいる期間が長くなるということだ。 コウタは現在2級生で、ここまで順調にやってきたと言っていた。 コウタのように施設での生活経験があったり、少年院に入るのが2回目、3回目の少年はみんな口を揃えて、最初の少年院がいちばんキツかったと言っている。良くも悪くも施設慣れしてしまうということだ。 7月に入り、コウタと多摩少年院で出会ってから2ヵ月が過ぎ、コウタは1級生になっていた。 1級生になったということは、そろそろ出院後について考えていかなければいけない時期だ。コウタは以前、少年院を出たくないと言っていたが、いまはどう思っているのだろう。コウタに聞くと以前と返答は変わらず、「家に帰りたくない」だった。 コウタは犯罪をしていた頃、毎日、今日の寝床と食べ物の心配をしていた。犯罪をしつづける生活には、安心して過ごせる日はなかったという。いつまでもこんな生活を送っていられないと思いながらも、帰る家がない状態は精神的にもキツかったようだ。
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