担当記者がビューラー移籍はドジャースがQOを提示しなかった時点で決まっていたと分析 再契約は不要
ロサンゼルスタイムズ紙のドジャース担当ジャック・ハリス記者がFAのウォーカー・ビューラー投手(30)がド軍に残留しなかったことは、チームが1年2105万ドルのクオリファイング・オファー(QO)を提示しなかった時点でほぼ決まっていたと分析している。 この決定により、他球団はドラフト指名権を失うことなくビューラーを獲得できるようになり、同時にドジャースも他の投手で先発ローテーションを補強する方向に動いた。2度のサイ・ヤング賞を受賞したブレーク・スネルと1億8200万ドルで契約、23歳の日本のスター投手佐々木朗希の獲得争いにも参加中だ。結果、ビューラーはレッドソックスと1年2105万ドルの契約で合意した。 ビューラーはドジャース黄金期における最高の生え抜き選手の一人だ。2017年にバンダービルト大学からドラフト1巡目で指名され、2020年と2024年の優勝チームで重要な役割を果たす存在に成長した。10月に見せた活躍は再びファンの心をつかんだ。先月行われた優勝パレードでは、1988年のワールドシリーズでオレル・ハーシュハイザーが着用していた復刻版ユニフォームを身にまとい、ファンの大歓声を浴びている。 オフシーズンを迎えるまで何度か、ビューラーはドジャースに残りたいという希望を示していた。ワールドシリーズ前にも「可能な限りここに居続けたい」と語った。しかしその一方で、チームのクオリファイング・オファーの決定が自身の残留の可能性を左右すると示唆していた。「こういった事柄の最初のステップはチーム側の判断にある。どちらに転ぶにせよ、非常に早く決まるでしょう」と語っていた。 ドジャースはオファーを提示しなかった後もビューラーとの再契約にオープンな姿勢を示していたが、市場の動向は別の方向に傾いた。ドラフト指名権を失わないため、他球団にとって魅力的な存在となった。すでに最上のぜいたく税の範囲を超えているドジャースにとって、ビューラーの再契約は不要とも言えた。 来季は大谷翔平、ダスティン・メイ、トニー・ゴンソリンがケガから復帰する。一方で、プレーオフ進出を目指すレッドソックスにとって、ビューラーは欠けていた重要なピースとなる可能性が高い。「ここ数カ月で自信が少しずつ戻ってきて、どこかのチームが僕を必要としてくれるだろうと思えるようになった。僕はメジャーリーグの先発投手だと感じている。それがここであれ、他の場所であれ」。そして他の場所が現実となっている。