ファミマ首位の大阪も次世代コンビニ拡大 アバターで接客、無人店でレジなし決済
少子化を背景にコンビニエンスストアが飽和状態なのは、10月現在、ファミリーマートが店舗数首位の大阪府でも同じだ。アバター(分身)による接客、レジなし無人店舗など、新たな需要を開拓すべく各社は次世代型の店舗の構築に知恵を絞っている。 【グラフでみる】国内のコンビニ売上高と店舗数の推移 「100メートル先に別のチェーンの店ができたとき、ごっそり客を持っていかれた。今は住み分けができていて、売り上げは安定している」 こう語るのは、大阪市西区のコンビニの関係者だ。同市内も、とくに立地の良い都市部や幹線道路沿いはコンビニが乱立している。 浪速区のコンビニ関係者も「少し前、150メートルほど離れた近所に同じチェーンのコンビニができた。訪日客が戻っているタイミングで影響なかったが、近所にはさらなる出店があるそうで、客を奪われるのではと心配だ」と話す。 コンビニは、業界3強のセブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンが、出店競争を長らく繰り広げてきた。大阪府は10月末時点でファミマ1343店▽セブン1290店▽ローソン1190店-となっている。 しかし、国内市場での新規出店が頭打ちとなる中、関西でも収益性重視に戦略を転換する動きが加速している。 その一つが、人工知能(AI)や通信技術を使った店舗を進めているローソン。 今年9月に先行開業したグラングリーン大阪(北区)に、遠隔地から操作するアバターが接客する店舗をオープンした。 11月には大阪メトロ御堂筋線なかもず駅(堺市北区)に、商品を手に取って店を出るだけで買い物ができる「ウォークスルー決済」を導入した無人店舗を開設している。 この店で、客はLINE(ライン)からカードを事前に登録し、QRコードをかざして入店。複数のカメラが客の動きを確認し、棚の重量センサーやAIが客がどの商品を選んだか判断する。 約50年間、時代の変化に自らも変わって対応してきた日本のコンビニは、生き残りのため、さらなる変革が求められる。(山口暢彦) ■時代に合わせて変化し日本人に寄り添え 消費経済アナリスト・渡辺広明氏